Sparse and Redundant Representations (2)

Sparse and Redundant Representations: From Theory to Applications in Signal and Image Processing 2010th Edition.

第3章に、ℓ0ノルムを最小化する解法がふたつ載っていたので、少し調べました。

最初のものは、いわゆるgreedyなヤツ。この原理は簡単です。目的とするベクトルに最も近い(=cos類似度が高い)、列ベクトルを採用すればよろしい。そして、ふたつのベクトルの差をとり、これを繰り返します。なにも知識がなくて、なにかやれ、と言われればこうするはず。

二番目のものは、もっと高級です。ℓ2ノルム最小化問題は、ラグランジュ乗数を使って解析的に求まるので、これを用いて、ℓ0ノルム最小化問題に近づけてやる、というものです。背景となる理論がいまいちよくわからないのですが、計算は簡単なので、解は求まります。
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Convex Optimization

凸最適化の名著と言われる本は、以下です。

Convex Optimization 1st Edition by Stephen Boyd, Lieven Vandenberghe.

PRMLにも参考文献に挙げられていますし、最近読み始めた本(スパース本)でも紹介されています。これは!と思い、amazonで調べると、ハードカバーしかありません。それでも調べると、

Cambridge India (2016)

から出ている、ペーパーバックが見つかりました。ハードカバーの半額ほどで、お買い得?しばらくネットサーフしていると、たまたま、以下のreviewが目に留まりました。

'Bad paper quality and not meant to be sold outside South Asia, February 19, 2017'

最近のreviewで、星ひとつです。むむ、これはどういうことでしょう。reviewの本文は以下。

'On the back of the book, it clearly says "This edition is for sale in South Asia only, not for export elsewhere". On top of that the quality of the paper is quite bad. I'm returning this book.'

こういうこともあるんですね。より興味が湧いてきました。でも、これを購入すると、法に触れるんですかね...まさかね。

Sparse and Redundant Representations

「スパースモデリング: l1/ l0 ノルム最小化の基礎理論と画像処理への応用 単行本 – 2016/4/9」

という本が出版されていることを、つい最近知り、この原書を古本で入手いたしました。イギリスからの調達。

Sparse and Redundant Representations: From Theory to Applications in Signal and Image Processing 2010th Edition.

翻訳は2016年と最近ですが、原書は2010年です。なので、それほど新しいわけではありません。タイトルの訳は少しアレンジしていますね。

まだ、第1章の'Prologue'しか見ていませんが、この導入は素晴らしいです(でも難しい)。冒頭を少しだけ引用します。

'Surprisingly, within this well-understood arena there is an elementary problem that has to do with sparse solutions of linear systems, which only recently has been explored in depth.'

'this well-understood arena'というのは、linear algebraのことです。

線型代数学 (5)

線型代数における、正方行列の対角化問題、非常に重要です。応用は無限にあります。

ここでは、特性(固有)方程式(多項式)が重根を持つときが要注意です。なぜならば、重根を持っていても、重複度分の線型独立な固有ベクトルを取れるときと、そうでないときがあるからです。

齋藤正彦先生「線型代数学(2014)」116ページ、例4.2.8に、その記載があります。1)2)ともに重根を持ちますが、1)の場合は、それに対する固有ベクトルはひとつしか取れません。対して、2)はふたつ取れます。

事情としては、1)については、ふたつの平面が出てくるので、固有ベクトルはその解、つまり、ふたつの平面の交線です。2)については、平面はひとつしか出てこないので、平面上にふたつの固有ベクトルが取れる、ということ。

計算すると、そのようになるので、これは理解しているのですが、なぜそうなるのでしょうか。計算した結果、そうなることが判明するということではなく、行列をパッと見て、それがわからないものなのでしょうか。これが今の疑問です。わかりそうな気がしますけど。もう少し、洞察が欲しい。

一般相対性理論を一歩一歩数式で理解する (2)

石井俊全先生の、「一般相対性理論を一歩一歩数式で理解する(2017)」、第5章「曲線座標のテンソル場」あたりから読めそうなので、探りながら...

一応ですが、小林昭七先生の「曲線と曲面の微分幾何(1995)」を読んでいるので、なんとか進めそうです。私は以前、クリストッフェルの記号で挫折しました。今回はこれをクリアするのが当面の目標です。

一般相対性理論を一歩一歩数式で理解する

石井俊全先生の、「一般相対性理論を一歩一歩数式で理解する(2017)」、さっそくアマゾンで購入。本屋さんで買えばよいのですが、クレカの件が気になり、わざわざオンライン決済にて。ここは問題なく通りました。

一般相対論の書物といえば、一般読者向けのものか(なので数式は出てこない)、専門書か(難しい数式が頻出)、どちらかしかなかったのですが、これはそのどちらとも異なります。一般相対論を本当に理解したい一般のかた、本書はあなたのためにあります。でも、分厚い。

Fashion, Faith, and Fantasy in the New Physics of the Universe (2)

ペンローズの最新刊、すなわち、以下の書籍が到着いたしました!

'Fashion, Faith, and Fantasy in the New Physics of the Universe'

2016年発刊の本書、2005年の、'The Road to Reality'、にちょっと雰囲気が似ていますね。amazonの書評を見ても、そのような感想を持たれる方々はいらっしゃるみたいです。これから読みます。読めないけれど。

理科系の作文技術 (2)

学会誌などで、学会参加レポートをよく目にしますが、かなり読みづらいのがあります。なぜかと考えてみると、いろいろと理由はありますが、ひとつには、「事実の意見の分離」、ができていないことです。

つまりは、こんな具合です。「xx学会における発表件数はxx件であった。非常に興味深いものであった。」前半は事実、後半は意見です。このように混在させてはいけません。

原則として、事実を記述する箇所と、意見を記述する箇所は、読む人がわかるように、きちんと分離しなければなりません。木下是雄先生の「理科系の作文技術(1981)」をご覧ください。これに明記してあります。

ここまで書いて、上記の私の文章を見ると、パラグラフ内で混在していますね。まあ、このような文章ではよいということで...

Fashion, Faith, and Fantasy in the New Physics of the Universe

久しぶりに、ペンローズ「心の影(2001)」(原書は、'Shadows of the Mind (1994)')を読み直しています。

いまはやりのAI、いずれヒトを超えるのではないか、シンギュラリティが来るのではないか、などと言われていますが、そのようなことはございません。それは、本書を読めばわかります。いまこの時代に、本書、または、ペンローズが脚光を浴びないのが不思議です。どこかで浴びているのだろうか?

ただ、本書は書かれてから、既に20年以上経っています。もしやペンローズは、そのあと、自身の主張を変えたのではないかと、ふと気になりました。そこで、amazon.comのペンローズのページを見てみると、果たして、2016年発売の新刊が!以下のタイトルです。

'Fashion, Faith, and Fantasy in the New Physics of the Universe'

これは買いですが、まずは書評を眺めました。それでちょっと安心。これまでの主張の延長線上にあるようです。書評はquick readの代わりです。

What You Need to Know about Project Management (3)

Fergus O'Connell, What You Need to Know about Project Management, Capstone (2011).

ちょっと積読になってしまったので、また手にとりました。必要な状況にもなってきた...

2ページに、想定される読者を6つ挙げています。私はおそらく5番目。つまり、

Five. You're an experienced project manager. The book is a full-bodied refresher and checklist of the key things required to make a project successful. It will remind you of these key things, some of which you may have either forgotten or not realised the full significance of.

名文ですね。

Foundations of Game Engine Development, Volume 1: Mathematics

amazon.comからレコメンド・メールが来ました。これに騙されて?、これまで何度となく購入してきました(損はない)。さて、今度はなにかというと、

- Eric Lengyel, Foundations of Game Engine Development, Volume 1: Mathematics, 2016.

なるほど、そう来たか。彼の本は、下記の本を、かなりしっかりと読んで、

- Mathematics for 3D Game Programming and Computer Graphics, Third Edition, 2011.

本BLOGにもコメントを書きました。良書であります。なので、新書も目次を見てみました。'Look inside'で確認できます。

印象としては、線型代数本ですね。このあたりは解っているつもりです。なので、これは今のところパス。

Quantum Mechanics and Path Integrals

Light Fieldを理解しようとすると、光学の知識が必要となりますね。

私が持っている知識は、せいぜいが幾何光学までですが、Light Fieldは幾何光学なので、これでよいといえばよい。でも、もう少し勉強したい。

まじめにやるのであれば、量子論から入るべきだと思います。でも、それだといつ終わるかわからない(たぶん生涯終わらない)...

そうしたところに、少し前に購入した、Feynmanの、"Quantum Mechanics and Path Integrals"という本を思い出しました。オリジナルは1965年刊行です(同年、Feynmanはノーベル物理学賞を受賞)。ただ、many typosということで、Styerという人が頑張って、たくさんの(more than 879)修正を行い、その労作が、40年後の2005年に刊行されました。これがEmended Editionです。それがさらに、Doverから2010年に発売されるに至りました。このような経緯ですから、たいへん価値が高い書物なのですが、購入価格が二千円強。安すぎる!

最初くらいは、なんとか読めそうです。

Idea Makers

法政大・小池さんから、Stephen Wolfram(Mathematica開発者)が書いた、'Idea Makers'という書物を教えてもらいました。今年(2016年)の新刊です。

内容はなにかというと、Wolframが興味を持った人物の紹介を、彼の視点から分析したものです。分析というか、私的なエッセイですね。

Feynmanなど、実際に彼が会ったことのある人もいれば、Leibnizのように、当の昔に亡くなった人もいます。総勢15名。だいたいは著名な数学者・物理学者ですが、私の知らない人もいらっしゃいます。ただし、これは私が無知であるということではなく、実際に無名に近い方です(と、Wolframは書いている)。

Ramanujanも登場します。となると、やはりリーマン・ゼータ関数。Mathematicaでも、Zeta[]という関数があります。どれどれ、試しにやってみると、

Zeta[-1] = -1/12 --- (1)

ちゃんと出ました。でも、これを理解するには、quantum field theoryをやらないといかんですナ。

Mathematics for 3D Game Programming and Computer Graphics (8)

Eric Lengyel, Mathematics for 3D Game Programming and Computer Graphics, Third Edition (2011).

Chapter14は、'Rotational Physics'。'Linear Physics'に比べて、格段に難しいところ。難所のひとつです。

415ページに、以下の式があります。

L = I ω --- (1)

角運動量、慣性テンソル、角速度の関係を表したものです。本書での式は(14.45)です。これはよろしい。

さて、式(1)を時間微分した式が、(14.46)ですが、

(dL/dt) = I (dω/dt) --- (2)

となっています。ん?これは正しいんですかね?なぜって、慣性テンソルも時間と共に変わるはず(姿勢が変わりますから)。なので、積の微分により、

(dL/dt) = (dI/dt) ω + I (dω/dt) --- (3)

となるはずです。これを計算していくと、

(dL/dt) = ω x L + I (dω/dt) --- (4)

となるのだと思われますが...

古本の処分方法 (5)

何度も利用している、洋書を買い取ってくれるN社(↓)、

http://kanouy.blog9.fc2.com/blog-entry-1358.html

1年ぶりにお願いしました。

<ミニマリスト>になりたい私としても、蔵書の処分は苦労します。まずは、「これがなくなってもほんとうに困らないか?」をじっくりと考えます。もちろんこれまで持っていたわけですから、愛着はあります。問題は、その愛着度合いが、どれくらいかということ。

今回は、洋書を5冊。結構、高い値段を付けていただきました。

Numerical Recipes (3)

'Numerical Recipes Electronic'、最初に購入したときの記事はこちら(↓)です。

http://kanouy.blog9.fc2.com/blog-entry-775.html

契約期間は3年なので、既に期限切れのはずです。でも、なぜか使えている...おかしいな~と思いながら、それでも使っていると、

あ、やはりページ数の閲覧制限がありました。契約は切れていたわけです。というわけで、更新。これは必須です。

ハードカバーを買えば永年で使えるんですが、いまさら紙があっても...というわけで、今回もこのまま3年使います。

What You Need to Know about Project Management (2)

Fergus O'Connell, What You Need to Know about Project Management, Capstone (2011)

前著と基本的に同じ内容なので、すらすら読めます。すでにChapter 2まで読みました。語り口は軽快。

Chapter 1は、'Goal Setting'で、前著と同じですが、最も重要です。うまく行かないプロジェクトは、まずここが非常にお粗末なんです。SMARTって、ご存じですか?プロジェクト成功の必要条件は、SMARTを満足させることです。以下に記載しておきます。

1) Specific
2) Measurable
3) Achievable
4) Realistic
5) Time-bound

この5つが設定されている限り、それほどおかしなことにはならないと思います。

What You Need to Know about Project Management

前回紹介した書籍、何とすぐに到着。素晴らしい!何かというと、下記のものです。

Fergus O'Connell, What You Need to Know about Project Management, Capstone (2011)

カジュアルに書かれています。楽しそうな本です。

構成としては、実質6項目ですね。つまり、6ステップをマスタすればよいということです。前著より減りました。これも時代の進化?

How to Run Successful Projects III: The Silver Bullet

当社slackにて、プロジェクト管理のチャネルを作ってもらい、さっそく記事をアップしました。これは、下記の本の受け売りです。

Fergus O'Connell, How to Run Successful Projects III: The Silver Bullet, Addison-Wesley (2001)

私のプロジェクト管理のバイブルです。過去の関連記事はこちらです(↓)。

http://kanouy.blog9.fc2.com/blog-entry-1153.html
http://kanouy.blog9.fc2.com/blog-entry-786.html

久しぶりに読み直している途中、同著者による新刊はないのかな?と思って、調べたところ、ありました!

What You Need to Know about Project Management, Capstone (2011)

瞬間的に購入しました。読みます。楽しみです。

The Variational Principles of Mechanics (2)

マルチボディ・ダイナミクス、またやります!というわけで、積読状態となっていた下記の書籍、また読み始めました。

Cornelius Lanczos, The Variational Principles of Mechanics, Fourth Edition, Dover (1970).

あまりにも著名な、解析力学の古典です。以前の関連記事はこちら(↓)。

http://kanouy.blog9.fc2.com/blog-entry-953.html

まずは、挨拶代わりに、Chapter1、'The basic concepts of analytical mechanics'、を読みました。小説のように読ませます。さすが名著。でも、難しい。著者のようにわかりたい。

Three-Dimensional Imaging Techniques

大越孝敬先生のうわさの名著、「三次元画像工学 (先端科学技術シリーズ)」、ついに購入しました!日本語版は絶版なので、英語版です。

Takanori Okoshi, Three-Dimensional Imaging Techniques, Atara Press (2011).

初版は1976年です。日本語版は、もっと前でしたでしょうか?

その時代を反映してか、フォントはタイプライターのようです(古き良き時代)。ヒマを見て、めくってみることにします。私は残念ながら、先生にお会いしたことはございません。

線型代数学 (4)

線型代数、いちおう分かっているつもりだったんですが...また混乱しました。

齋藤正彦先生「線型代数学(2014)」の109ページ、例4.1.4の3)です。これは、固有多項式が重根を持ち、しかもそれに対応する固有ベクトルがひとつしか取れない場合です。2)は、同じく重根を持つけれど、対応する固有ベクトルはふたつ取れました。この違いは理解しているつもり。

でも、ここでまた勘違いをして、3)の場合、もともとの行列は正則ではないと思ってしまった。これは正しくなくて、行列式はゼロにはなりません。ただ、対角化ができないということ。いつも間違えるところです。

ジョルダン標準形をこれまで避けてきたんですが、このあたりですね。つまり、正則でも対角化できない場合です。ジョルダン標準形には必ずできるので、ここを理解しないと、おそらくまた混乱すると思われます。

テクノロジー・ロードマップ

日経BP社発行、「テクノロジー・ロードマップ 2016-2025 ICT融合新産業編」、仮想現実(VR)の項を担当いたしました。第1章の8です。

30万円もする本なので、私は買うことができません...なので、最終稿のあと、見られていません。どなたかお手元にあれば、お知らせください!

線型代数学 (3)

齋藤正彦先生著「線型代数学(2014)」の話です。線型代数本では、最近はこれを薦めています。読みやすいです。

さて、曰くつきの問題、すなわち、66ページ、例2.4.7です。版権の問題がありそうなので、具体的には載せません。

やっぱりこの解答も、どうも違うようですね...任意となる変数の符合が逆なんです。解答ではイチとなっていますが、マイナスイチです。正誤表にはまだ載っていないようです。

このあたり、ちょっとややこしいところです。アタマが混乱しますね。

Mathematics for 3D Game Programming and Computer Graphics (7)

Eric Lengyel, Mathematics for 3D Game Programming and Computer Graphics, Third Edition (2011).

Chapter 13は、'Linear Physics'と題された章です。約20ページと短いながら、微分方程式と物理の基礎が説明されます。章立ては以下のようです。

13.1 Position Functions
13.2 Second-Order Differential Equations
13.3 Projectile Motion
13.4 Resisted Motion
13.5 Friction

こんな感じで、必要なことがすべて学べます。'quick course'ですが、素晴らしい内容!

私はこの程度のものはOKと、油断していたら、以下の記述で不覚にも戸惑いました。すなわち、

x(t) = x0 + v0t + (1/2)gt2 --- (1)

式(1)は、抵抗がないときの自由落下の式ですが(原書では式(13.74))、これと、

x(t) = x0 + (g/k)t + ((kv0 - g)/k2)(1 - e-kt) --- (2)

式(2)の、抵抗があるときの自由落下の式が(原書では式(13.96))、k→0のとき、同じになるということです。問題を感じられたみなさまには、本書が味方となります。

Mathematics for 3D Game Programming and Computer Graphics (6)

Eric Lengyel, Mathematics for 3D Game Programming and Computer Graphics, Third Edition, 2011.

Chapter 8 'Visibility Determination'、8.2 'Bounding Volume Tests'の、楕円体のテスト方法(8.2.2 Bounding Ellipsoid Test)に、感銘を受けました。要は、視野円錐台と(view frustum)、境界楕円体(bounding ellipsoid)との干渉テストですが、この計算、この本でしか見たことない。だいたい、境界に楕円体をサポートしているツールって、ありましたっけ?

ここで紹介されている方法は、数学的にもさまざまな練習になります。流れをざっと書くと、まず楕円体の表面上の点Pを、楕円体の軸ベクトル(三つで既知、RSTとする)、およびふたつの角度(これは未知)で表します(極座標の楕円体拡張)。そして、法線ベクトルNを持つ面と接するという条件(点PNへの射影の長さ(reff)が最大となる)で、定式化してやります。すなわち、

reff = (P, N)の最大値 --- (1)

ここからは最大値を求める話です。(P, N)を、ふたつの角度で偏微分してやって、角度を求めます。三角関数が出てくるので、計算は結構ややこしい。理解はできますが、自力ではめげそう...

そうすると、

reff = √((R, N)2 + (S, N)2 + (T, N)2) --- (2)

と計算されます(同書では、式(8.40))。結果は簡単でめでたしです。

これはよいのですが、式(2)は恐ろしく簡単です。なので、楕円体がきちんと理解されていれば、同書で説明されているようなややこしい計算は必要なく、<洞察>により式(2)が閃くのではないか、と思われました。

それで、ちょっと<洞察>してみたのですが、残念ながら私の<洞察力>では、式(2)が出てきません。もう少し<洞察>してみます。

Mathematics for 3D Game Programming and Computer Graphics (5)

Eric Lengyel, Mathematics for 3D Game Programming and Computer Graphics, Third Edition, 2011.

再開しました!ハードカバーの分厚い、しっかりとした本です。読み応えあり。3DCG系書籍では、ベストのひとつですね。

Chapter 8、'Visibility Determination'、ですが、この内容はヘビーです。8.1は、バウンディングボリュームの構成法('Bounding Volume Construction')、8.2は、それに対するテスト法('Bounding Volume Tests')が記されています。ボリュームの種類は、ボックス/球/楕円体/円柱(Box/Sphere/Ellipsoid/Cylinder)、です。

記述は数学的に明快です。これを習得すれば、このテーマでは、他の資料を参考にする必要は、ほとんどないでしょうね。お薦めです。

曲線と曲面の微分幾何 (8)

前回のガウス・ボンネの定理の応用では、測地的曲率がゼロでした。これが値を持つ場合を計算してみましょう。

A1∧θ2 + ∫∂A kgds = 2π - Σεi --- (1)

八等分した球に対して、赤道を通る辺を少し上に持っていってやります。つまり、u>0となる緯線を底辺とします。このように構成した三角形も、内角の和は(3π)/2のはずです。これを確かめたい。

まずは式(1)の左辺第一項。前回と同じで、

θ1 = du --- (2)
θ2 = cos(u)dv --- (3)

積分範囲は、u≦u≦π/2、0≦u≦π/2、です。なので、

(左辺第一項) = ∫dv∫cos(u)du = (π/2)(1 - sin(u)) --- (4)

次に、左辺第二項を計算します。球の測地線は大円だけなので、この場合は測地的曲率を持ちます。すなわち、

kg = sin(u) (dv/ds) --- (5)

(導出は長くなるので省略。同書197ページ参照)

(左辺第二項) = ∫sin(u)dv = (π/2)sin(u) --- (6)

式(4)(6)から、

(左辺) = π/2 --- (7)

となるので、式(1)(7)より、

Σ内角i = (3π)/2 --- (8)

と、またまた正しく計算できました。ガウス・ボンネの定理、すばらしい!

曲線と曲面の微分幾何 (7)

ガウス・ボンネの定理の応用について、簡単なものを計算してみましょう。

A1∧θ2 + ∫∂A kgds = 2π - Σεi --- (1)

平面上の三角形は、左辺が全てゼロになってしまうので、そうでないもの。たとえば、球を八等分したときの領域(つまり、経線と赤道を辺とする三角形)に適用してみましょう。

まず、簡単な右辺から。

(右辺) = 2π - Σ(π - 内角i) = Σ内角i - π --- (2)

次に左辺ですが、第二項はゼロです。なぜならば、この三角形の辺は球の測地線なので、測地的曲率はゼロです。なので、第一項だけを計算すればよい。

半径aの球のガウス曲率K=1/a2ですが、半径は1ととっても結果は同じなので、そうします。なので、K=1。また、ふたつの微分形式は、

θ1 = du --- (3)
θ2 = cos(u)dv --- (4)

です(この導出は長くなるので省略。同書188ページ参照)。あ、(u, v)を定義していませんでした。uは上下方向(つまり緯度)、vは左右方向(つまり経度)の角度とします。これで、左辺第一項の積分ができます。範囲は、u, vともに、0≦≦π/2、です。式(3)(4)を用いて、

(左辺) = ∫dv∫cos(u)du = π/2 --- (5)

式(2)(5)より、

Σ内角i = (3π)/2 --- (6)

と正しく計算できました。実際、この三角形の三つの角度は全て90度なのでした。

曲線と曲面の微分幾何 (6)

小林昭七先生「曲線と曲面の微分幾何」、やっと、第4章に到達いたしました。読み始めてから、二年くらいかかりました。私にしては珍しく、結構丁寧に読んだ。

本章の(というか本書の)メインはガウス・ボンネの定理です。すなわち、

A1∧θ2 + ∫∂A kgds = 2π - Σεi --- (1)

左辺の第一項は曲率に関する(面)積分、第二項は測地的曲率に関する(線)積分、右辺の第二項は、∂Aの不連続点における角度です。これにより、最も単純な場合には、三角形の内角の和が180度ということが示されます。すばらしい定理です。

しかし、この定理は敷居が高いですね。左辺第一項を理解するには、ガウス曲率と微分形式を理解しなければなりません。左辺第二項は、測地線の理解が必要です。なので、時間がかかったというわけです。
プロフィール

加納裕(かのうゆたか)

Author:加納裕(かのうゆたか)


[略歴]
1983年3月東京工業大学工学部機械物理工学科卒業
1983年4月(株)図研入社
1987年1月同社退社
1987年2月(株)ソリッドレイ研究所を6名で設立、取締役
1994年3月同社退社
1994年4月(株)スリーディー入社
1996年10月同社取締役
1999年12月上海大学兼務教授
2002年10月同社代表取締役
2009年9月ものつくり大学非常勤講師~現在
2009年10月同社代表退任/退社
2010年1月ソフトキューブ(株)入社~現在(横浜オフィス)
2011年11月甲南大学特別講師
2011年11月関西大学特別講師
2012年11月東京理科大学特別講師
2017年4月湘南工科大学非常勤講師~現在


[業界団体・学会活動]
立体映像産業推進協議会(幹事)/電気学会・第二期次世代インタラクティブディスプレイ協同研究委員会(幹事)/三次元映像のフォーラム(幹事、監査)/日本バーチャルリアリティ学会・論文委員会(委員)・力触覚の提示と計算研究会(委員)/ACM/SIGGRAPH(Professional Member)/情報処理学会(正会員、CVIM会員)/3Dコンソーシアム(賛助会員)/3DBiz研究会(個人賛助会員)/最先端表現技術利用推進協会(個人会員)/URCF(特別会員)


[資格]
TOEIC805点
数学検定1級(数理技能)
中型・普自二免許
サッカー4級審判員

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