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天璋院篤姫 (2)

宮尾登美子氏の、「天璋院篤姫」(新装版文庫・上下巻)は、やっと下巻です。なぜ読むのが遅いか?それは、いろいろな本をパラで読んでいるからです。仕事もしていますしね。もっとも、読むスピード自体も遅いですが。

さて、下巻の最初(80ページあたりから)、井伊直弼が急死する場面があります。いわゆる、桜田門外の変で、1860年のことですね。水戸藩士の浪士らに殺されたのです。安政の大獄で、かなり恨みを買いましたからね...

井伊直弼の後任が決まったのち、滝山が篤姫に面会を求め、自身の非を認めます。なぜって、滝山が彼を推輓(原文どおり、推挙のこと)したのですからね。篤姫は、当然、「だから言ったじゃねーか、このバカヤロー」と罵るかと思いきや、誠に客観的にものを見て、滝山には全く非はないと思い、逆に彼女を励ましたのでした。

私はこの場面を読んでいて、篤姫も、松下幸之助氏のおっしゃった、<素直な心の初段>の持ち主と思いました。本書を読んでいると、この場面だけではなく、篤姫は自分の意見を常に持ちながらも、相手の意見にきちんと耳を傾け、「なるほど」と思うこと、度々だったのでした。

でも、当時篤姫は、まだ20代の半ばだったんですけど...さすがは大河ドラマの主役を張る人物、器が違ったというわけです。
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リーダーになる人に知っておいてほしいこと

シニアサッカーの忘年会へ行く途中、少し時間があったので、地元の本屋さんに立ち寄ったところ、松下幸之助氏の「リーダーになる人に知っておいてほしいこと(2009)」が積まれてありました。

氏は1989年に94歳で亡くなられていますが、リーダー不在が叫ばれている現在、氏が松下政経塾で講義をされた未公開テープの内容から、48項目を厳選して出版されたものです。ちょっと興味がありますね。というわけで、衝動買い。

「(3)客観的に見ること」と題した文章で、氏は自らを<素直な心の初段>と呼んでいます。ちなみに、初段になるのに35年かかったそうです。このテープは1981年のものなので、35年前を計算すると、氏が50歳を少し超えたくらいですね。つまり、氏はそのときから素直な心になれるよう努力し、80歳を遥かに超えてから、やっと初段になった、とおっしゃっているのです。

何とも謙虚なものですが、このような文言が48項目ありますので、価格からすると、なかなかのお薦めと思います。年明けに、新たな気持ちで人生を歩まれたい方に、よいかも知れませんね。

時間の感覚

2009年12月26日(土)朝日新聞朝刊の天声人語に、幕末から明治初めの、欧米からの<お雇い外国人>の話がありました。彼らは先進技術の伝授にやってきたわけですが、あるオランダ人が、「日本人の悠長さといったら呆れるぐらいだ」と書き残したそうです。当時の日本人は、時間にかまわなかったそうです。

私はこれにビックリしてしまいました。なぜって、今は全く違っていて、数分の遅れを取り戻そうとして、大量の死者を出してしまう鉄道会社を持つような(この事故は、世界中でunbelievableだったそうな)、世界でも稀有の時間に厳格な国になってしまったからです。かくいう私も、かなり時間には細かいです。約束の時刻に遅れることはまずないですし。

「世界の小さな国」という、10分程度のテレビシリーズがあります。タイトル通り、世界各地の小さな国の紹介なのですが、小さな国というのは南太平洋にたくさんあって、必然的に同じような国(=南国/黒い肌の太った人/踊っていることが多い/...)の紹介となります。その、南太平洋のさまざまな、でも同じような習慣を持つ国々を見ていると、なんとのんびりしていること!しかも、みな幸せそうです。インタビューに答えた人が、「私たちの生活は理想的です」と断言したのを聞いて、日本人のどれくらいの人が、自身の生活をして、<理想的>と断言できるか、考えてしまいました。

今また、幕末/明治ブーム。時間の感覚もそろそろこの頃に戻したほうがよいのでしょうか。それとも、もう不可能?

ヨーロッパのVRシステム事情

先日のJVRC09(フランス・リヨン)にて、ヨーロッパにおける産業向けVRシステムの現状について、少しばかり知ることができました。ヨーロッパと言っても、フランスとドイツですが。Industrial Programの内容です。

やはり車業界が牽引役を果たしているようですね。記憶をたどりよせると、co-chairの電話会議で、内容を吟味していたとき、車関係のセッションが多いな~などと、ボーとしながら聞いていたら、「Yutakaはどう思うか?」などと急に振られたので、仕方がないので、「ちょっとした懸念としては、車関係がやけに多いですね~」などとのたまったら、「え、ほかにもあるでしょ?...まあ、確かにそうであるが、車業界は引き続きVRの先端である...」などと言われ、納得したのでした。仮に納得しなくても、電話会議で反論するだけの英語力はありませんが。

それはともかく、VRシステム構築ツールとしては、ソフトは、例のフランス製のヤツで決まり!三次元センサはと言えば、ドイツ製の画像系のヤツですね。日本を席巻している、アメリカ製のヤツは聞かれずじまい。ヨーロッパの人って、やっぱりアメリカ嫌い?(未確認事項)

システム性能としては、日本国内でも、互角あるいは凌駕しているものもあるとは思うのですが、なかなかヨーロッパまで出向いてプレゼンするというのは、今のご時世、民間企業の方々には敷居が高かったのでした。

グリーン関数

しつこく、SIGGRAPH Asiaの話題が続きます...だって、大枚払いましたから!

先週のSIGGRAPH Asiaのコース(CGAL)で、Poisson方程式を解くという話がありました。

Poisson方程式は、いろいろな場面に出てきて、重要な理論です。というわけで、Doverの、"Partial Differential Equations for Scientists and Engineers (1993)"で、ちょっとさらいました。Lesson 36、"A Nonhomogeneous Dirichlet Problem (Green's Function)"で、この解説は素晴らしいです。Poisson方程式がどうしてもわからない人は、これをお読みください。本書はお薦めであります。

このLesson 36では、グリーン関数を用いてPoisson方程式を解くのですが、さて、グリーン関数ってなに?名前は物々しいですが、インパルス応答関数、と言えば、わかりやすいかも知れません。要するに、たたみこみ計算ですね。

ところで、グリーン関数を用いた定式化を見てみると、なにかよくお目にかかるような式。あれ、これって、レンダリング方程式にそっくりですね。ということは、BRDFって、グリーン関数?

Handbook of Mathematics

先週のSIGGRAPH Asiaにて、専門書の販売をしていました。SIGGRAPHでは恒例です。どれどれと見てみました。

おなじみの3DCG本が並んでいます(GPU GemsやShaderXなど)。その中に、"Handbook of Mathematics"というのがありました。Springerから出ているもので、5版を数えます。図が綺麗で、サイズが小さく、ペーパーバック。フォントも見やすい。これは私好みのものなので、価格を訊いてみました。外人のオジサンがいろいろと調べて、電卓で見せてくれました。

それが、約9,300円!ちょっと高いよな~と思って、そのあと、amazonで確認しました。結果としては、.co.jpだと約8,200円、.comだと送料込で、現在の為替で約7,200円でした。

結果として、amazon.comで注文してしまったのですが、なぜ二千円も高い値段を付けて売ろうとしているのか、わかりませんでした。でも、日増しに在庫がなくなっていたので、購入されたかたもいらしたんですね。

NIH症候群

先週のSIGGRAPH Asiaで、CGAL(=Computational Geometry Algorithms Library)のコースを聴いていたのですが、講師のかた(フランス人)が、「CGALプロジェクトは、Not Invented Here Syndromeではありません!」と言っていました。日本語では、<NIH症候群>と言って、とにかく自分で作る、というようなことですね。よい意味には使われません。

いわゆる<自前主義>というのは、日本ではかなりはびこっていますが、英語でもこの言葉がある、ということは、海外でもこのような思考原理はある、ということですね。ちょっと安心。ちなみに、私はNIH症候群は好きではない(よいものはできるだけ利用したいタイプ)。

ただ、ソフトウェアの分野は難しいですよね。既存のライブラリがあったとしても、よほどフィットしなければ、データ構造が合わないとか、効率が悪い、信用できない、などのような理由で、結局自前で作ることが多いのは、万国共通の現象なのです。ハードウェアに比べて、ソフトウェアの進歩が遅いのは、このあたりに原因のひとつがあるのかも知れません。

ちなみに、CGALは、アプリとのデータ変換を可能な限りなくすように、うまく設計しているようです。結構すぐれものかも知れませんよ。

天璋院篤姫

遅ればせながら、宮尾登美子氏の、「天璋院篤姫」(新装版文庫・上下巻)を読んでいます。言わずとしれた、2008年大河ドラマの原作。でもこれは、四半世紀も前に書かれたのですね。

私は、宮尾氏の本は初めてなので、最初は文体に慣れるのに手間取りました。独特の言い回しですね。それとも、私だけが感じるのでしょうか。あ、そうか、私にとって標準の文体は、司馬遼太郎先生のものなのでした。

さて、上巻の最後(381ページあたりから)に、篤姫が滝山から、ときの老中・堀田正睦の更迭への協力を求められる場面があります。後継候補は、かの井伊直弼!

井伊直弼は紀州派なので、いまの13代将軍家定の後継は、慶福(のちの家茂)に決まります。しかるに、篤姫にとっての神様・島津斉彬は、一橋派の慶喜を推している。でも、篤姫が両者に会った印象では、断然慶福。さあ、篤姫困った!

この場面、非常に重要でありながら、どちらにも決めようがないという、それこそギリギリの決断をしなければならないときの、よいエクササイズだと思いました。結局、篤姫は、両者(=慶福と慶喜)に対する自身の印象/両者を推すひとたち(=滝山と幾島)の論理の正当性/さらにはそのひとたち自身の信頼性/そして自身のおかれている立場、などから判断したのです。この場合は、幾島に罵声を浴びせられながらも、慶福に有利な振る舞いをしたわけです。あとの歴史はご存じのとおり。

私のつまらない解説よりも、ぜひ原作をお読みいただきたいのですが、篤姫の苦渋の決断が何とも胸を打ちます。このあたりで、さすがに宮尾氏の文体にも慣れてきました。噂に違わず美しい日本語であります。

SIGGRAPH[ASIA]2009 (6)

本日(2009年12月19日)は、SIGGRAPH Asiaの四日目(最終日)です。最終日というのは、寂しいものです...

午前中、coursesの、"CGAL: The Computational Geometry Algorithms Library"を聴きました。CGALというのは存じませんでしたが、説明を聞いた限りでは、これはすばらしいライブラリのようですね。INRIAが中心になって進めている、オープンソース・プロジェクトです。商用版もあります。

いろいろな機能があるのですが、点群から面を生成するのに、Poisson方程式を解く手法に興味を惹かれました。これは、SGPという国際会議で2006年に発表された手法で、かなり新しいものですね。物理が好きな人には向いているかも知れません。

それから、marching cubesを使う代わりに、Delaunay Refinementを使うやりかた。Marching cubesよりも、はるかに良質のメッシュが得られます。ただ、処理時間は少しかかるようですけどね。

ところで、LEDAという、似たようなライブラリもありますよね。CGALとLEDAの関係や如何に?

最後のPapersは、"Reconstruction & Modeling"。午前中のcoursesを聴いて、やはりgeometryは面白い!ということで。

SIGGRAPH[ASIA]2009 (5)

本日(2009年12月18日)は、SIGGRAPH Asiaの三日目です。ところで、昨晩の、Electronic Theater(19:00-21:00)、よかったです!同時刻にレセプションがあったようですが、シアタは満員でした。

今日は、Papersをいろいろと聴きました。

"Real-Time Rendering"セッションの、"All-Frequency Rendering of Dynamic, Spatially-Varying Reflectance"は、BRDFをSpherical Gaussians(SG)で近似して、レンダリング方程式を計算するというものです。SGはいろいろと便利らしいです。そういえば、関連研究では、これまではSpherical Harmonics(SH)や、waveletなどを使っていましたね。この分野では、SGを使うのは新しいのでしょうか。

ここで記憶をたどりよせると、"GPU Gems 3 (2007)"chapter 14、"Advanced Techniques for Realistic Real-Time Skin Rendering(pp.293-347)"の解読を、以前したことがあったのですが(旧BLOGに書いた)、diffusion profileを<ガウス関数の重み付け和>で近似していました。ですから、SGを使うこと自体は、新しくはないですよね。

それはいいとして、昨日もcoursesを聴いていて感じたことですが、いろいろと面倒くさそうなデータを、扱いやすい関数(列)で近似する手法は、非常に重要ですね。

"Global Illumination"セッションは、究極のPath Tracingと比べ、どれだけ近い結果が得られるか、ということでの競い合いの様相。私のこの分野の知識は、Jensen氏の、"Realistic image synthesis using photon mapping (2001)"を超えることはありませんが、すでにこの本の内容は古典となっています。恐ろしい!

SIGGRAPH[ASIA]2009 (4)

本日(2009年12月17日)は、SIGGRAPH Asiaの二日目です。ところで、昨晩の、Technical Papers Fast Forward Session(18:00-20:00)は素晴らしかったですね。よくあんなビデオ、みなさん作りますよね。

9時から、Technical Papersの、"Texturing"を聴きました。最初のセッションですね。東海道線と京浜東北線が止まっていて(いつものこと)、ギリギリになってしまった。

本セッション2番めの発表は、"Feature-Aligned Shape Texturing"という題です。<テクスチャというのはmicro shapeである>、という考察から、形状(=macro shape)に合致したテクスチャの貼り方を追及したものです。誠にまっとうな動機でありまして、私も遥か昔、テクスチャの自動貼り付けをやったことがあって、そのときにいろいろと考えたのでした。難しい、且つ重要な問題ですよ。

この発表では、形状の輪郭線に着目して、それを境界条件として、中のテクスチャの貼り方を決めてゆく、ということをやっています。これは、数学や物理に強い人であれば、うまく定式化できそうですね。

昼のNVIDIA社David Kirk氏の基調講演では、OptiXという、レイトレのCUDA実装が紹介されました。私はOptiXというのを初めて聞いたのですが、すでに有名なのでしょうね。あとで調べてみたら、本国の今年のSIGGRAPHで発表されたものだそうです。それにしてもレイトレは、1980年Whittedのころから、かなりさま変わりしましたね。

Kirk氏は、voxelについても触れていました。氏によると、voxelはかなり有望とのことです。アナロジとして、z-bufferを挙げていました。Z-bufferが考案されたのは、はるか昔ですが、考案者は、メモリを食うので実用的ではない、と当時言っていたそうです。ところが、今の状況はご存じのとおり。前職のバイトPh.D.学生、W大SFくんも聞いていたようですが、彼の研究はvoxelレンダリングなので、多少とも嬉しかったようです。がんばれ!

午後は、coursesの、"Casting Shadows in Real Time"を聴きました。すばらしいイントロに続いて、Shadow MapsとShadow Volumesの基本的説明。これもわかりやすかったです。Shadow MapsはOpenGLでおなじみですが、Shadow Volumesを私は実際に使ったことがなかったのです。でも、この説明でよくわかりました。ステンシルをうまく使うんですね。

あとは、Shadow Mapsのクオリティを上げる、さまざまな研究事例の紹介。考える人は考えますね~。Shadow Map Warpingというのは、なにやら想定の範囲ですが、影かどうかを判定する関数がステップ関数なので、それをフーリエ展開して利便を引き出すアイデアはすごい!ステップ関数をフーリエで展開するのは、遥か昔の大学の授業でやりましたが、まさかShadow Mapsで出てくるとは...参りました。

専門家の話を聞くのは便利です。固定時間で済みますしね。

SIGGRAPH[ASIA]2009 (3)

本日(2009年12月16日)は、SIGGRAPH Asiaの初日です。気がせいて、朝8時前に会場(パシフィコ横浜)に着いてしまった。

予定通り、"OpenCL: Parallel Programming for Computing and Graphics"、に参加しました。これは、9:00-18:00という、終日コースです。大きな部屋が割り当てられており、参加者は、ピークで150人程度でしょうか。

午前中は、3人のスピーカがそれぞれ、ベーシックス/C++バインディング(これはサボった)/OpenGLとの連携、について話をされました。英語が早過ぎ!

OpenGLとの連携については、頂点の位置をOpenCLで計算して(たとえばsinカーブ)、それを適宜OpenGLでレンダリングする、というデモがありました。ちゃんと聞いていなかったのですが、頂点アレイを共有するような感じでしょうか(OpenCLとOpenGLでは、データ共有できるのがウリ)。でも、このようなことは、GLSLでもできそうですね。はたして、同じような質問をする人がいて、回答もちゃんとありました。OpenCLのほうが、多少とも通常のプログラミングに近いので、とっつきやすいのではないか、ということと、GLSLではできないことがOpenCLでできる、ということでした。納得するかどうかは、その人次第?

午後は、同期の問題や、最適化など、細かい話です。OpenCLには、ベクトル型(2/4/8/16)があるのですが、これは速くなるようですね。あとは、NVIDIAとAMDのハードウェアに依存した話題など。

ちなみに、AMDのほうがNVIDIAに比べて、OpenCLに積極的なような気がしますね。講師もAMDのほうが多いですし。NVIDIAはCUDAがありますからね。

完璧な英語が飛び交っていて、いつものことですが、日本人は多少とも蚊帳の外。ここだけが外国みたいです。

SIGGRAPH[ASIA]2009 (2)

明日(2009年12月16日)から、SIGGRAPH Asiaです!もしや日本での開催は最初で最後?(東京オリンピックみたいに)

SIGGRAPH Asiaのオフィシャルサイトに、最終プログラム(ProgramGuide.pdf)がアップされていたので、どれどれと見てみました。178ページの大作で、作る人も大変ですが、見るほう(=私のこと)も大変!

Coursesで、"Casting Shadows in Real Time"というのがありました。まだ、「これで決まり!」的な手法はないので、引き続き興味深い/重要な話題です。ところで、講師の方々を見てみると、なんと、Max-Planckさんがいます。これは!と思っていたら、所属は、Institut für Informatik。もちろん誤植でありまして、Max-Planck-Institut für Informatikであります。あれ、では講師は誰なんでしょう?

ほかにも、"Scattering"では、Henrik Wannさんが講師で、所属が、"Jensen University of California..."となっていますが、これも誤植ですね。それとも、有名すぎて、ついに大学名になってしまった?

スミマセン、上げ足とりをするつもりは毛頭なくて、このような(些細な)誤植を発見するくらい、すばらしい最終プログラムをチェックした、ということを言いたかったのでした。高いお金を払うので、有意義な時間を過ごさなければ...

Khronos

SIGGRAPH Asiaにて、Khronos DevUが企画されています。これは何かというと、Khronosが主催するセッションですね。(2009年)12月18日の午後にあります。

前職時代、ここでプレゼンしようと思って、枠をとったのですが、そのあとどうなったのか、ちょっと気になっていました。プログラムを見ると、予定通り、MS氏がスピーカとしてエントリしていました。うまく進められたようですね。

もともと言いだしっぺは私なので、MS氏の応援がてら、聞きに行こうと思います。セッションへの登録は完了しました。

立体視

よく、「立体視ができない人がいる」という話を聞きますよね。でも、私にはその意味がよくわからなかったのでした。ところが、偶然、JVRC09で当地(リヨン)でご一緒した、某T大・I先生が、それに関するご研究をされている、ということで、少し雑談をしました。

なんでも、視差がプラス/マイナスにそれぞれ反応する細胞があって、それがたまにない方がいらして、そのような方は立体視ができない、とのことでした(私の理解が間違っていなければ)。これは海外の方がすでに論文として発表しており、関連の研究者は、これを通常参照されるそうです。ただ、I先生は、これに少なからず疑問があるそうで、関連の研究を進めたい、とのことでした。なるほどね~

ところで、立体視できない方は、通常の世界はどのように見ているのでしょう?I先生の話では、奥行きの認知に支障があるとのことですが、現実のものを見るときは、視差がプラス/マイナスの概念というのはないはずなので、ちょっとよくわかりませんでした。朝食のときでしたので、あまり込み入った話はできませんでしたし。

某大手企業が、立体視ディスプレイを販売されようとしている今日、このような基礎的な研究も望まれるところですね。

リヨン (2)

JVRC09での宿泊は、ValPreでした。ここは会議場でもあり、一体型の施設ですね。

選んだ理由は、一泊63ユーロと安いことと(リヨンでは破格)、会議に出るには好都合なことでしたが、初日の夜は憂鬱になりました。近くにはお店が全くないですし、夜9時ころ着いたところ、フロントには誰もいなくて、テーブルにカギが置いてあるだけでした。部屋も素泊まり用で、ミネラルウォータなどもない。シャワーがちゃんと出たのがラッキー、という印象。

それが、次の日の朝食から印象が変わりました。品数は少ないですが、おいしいです。ハムが特に気に入りました。フロントの人も対応は良くて、いろいろと教えてくれました。

リヨン旧市街からは多少離れていますが、近くにバス停があり、それに乗れば旧市街まで行けます。無料券をもらいましたので、どのように切符を買うか、それがいくらか、などについてはわからずじまいでしたが、バス自体は乗り心地は良いですし、便利です。

インターネットはWi-Fiが無料で使えました。

結果として、ValPreは正解!近くのホテルに泊まった人の金額を見ると、私の三倍しました。でも、ValPreは普通のときに泊まれるのでしょうか?少なくとも今回は、JVRC09に関係のない方々はお見かけしませんでしたが...

リヨン

JVRC09の会期中(2009年12月7-9日)、夜にリヨンの旧市街を歩く機会がありました。ご一緒させていただいたのは、IG/産総研のEさん/慶応のNくん/農工大のI先生とMさん、などです。慶応と農工大の方々は会期中に知り合いました。

宿泊先のValPreからはバスとメトロで乗り継ぐのですが、これはかなり便利です。海外でバスに乗る勇気は通常はないのですが、これはかなりオーガナイズされていて、わかりやすいです。ただ、切符の買い方はわかりません。JVRC09で一日切符を3枚もらったので、これで三日間まかなえたのです(これは便利だった)。もしかしたら、切符を買うのがかなり面倒くさいということ?(未確認事項)

リヨンは何とも美しい街で、ある規則によって統一されているという印象です。お店はフランス式の洒落たもので、ほかの文化圏のものはほとんどありません。コンビニ/ラーメン屋/牛丼や、などの日本文化は皆無。とはいえ、スタバは一軒発見。Subwayもありました。

子供から、「アニョハセヨ」と声をかけられ、不意を突かれたので、うまいリアクションができませんでした。ここでは東洋人と言えば、韓国系がメジャー?これで思い出したのが、以前スウェーデンの町を歩いていたとき、おばさんから、「ニイハオ」と挨拶されたことです。これまで、「コンニチハ」と言われたことはありませんね。ちょっと残念です。

車の運転マナーは素晴らしく、歩行者が道を横切ろうとしていると、必ずと言っていいほど止まってくれます。私はフランスはパリに何度かまいりましたが、パリの運転は結構乱暴だったような気が...ひとつの国でも、都市によって振る舞いが異なる、ということなのでしょうか。まあ、日本も同じですが。

街中のサインは徹底してフランス語です。英語は期待できません。でも、人々は基本的な英語は話せます。何とも不思議な町です。

JVRC09 (5)

本日(2009年12月9日)は、JVRC09の三日目(最終日)です。

Spidar 20th Anniversary Symposiumが午前中にあったので、参加しました。Spidarというのは、東工大・佐藤誠先生が開発された、反力生成装置です。私も前職時代に使いました。

佐藤先生のkeynoteに続いて、7件の発表がありましたが、うち5件がフランスからでした。Spidarはフランスで有名なのでした。2000年に、INRIAの方が導入されて以来、広まったようです。ちなみに発音は、フランスでは<スピーダ>です。

事例紹介としては、Spidarの特性から、大きなworkbenchへの実装に適しているので、そのようなcase studyが多かったです。CAVE上にインテグレートした、フランスの某車メーカのクレジット・ビデオも上映されました。

ブレイクで、Spidarの誕生日を祝う会があり、シャンパンとケーキがふるまわれました。なんともフランス的でありました。

JVRC09 (4)

本日(2009年12月8日)は、JVRC09の二日目です。

8:30amからは、industrial programを聞きました。私がお誘いした、産総研(AIST)の方のプレゼンがあるのです。トピックは、"Digital Human"。本セッションは、私が提案したものです。

結果としては、非常にフォーカスされた、成功したセッションだと思いました。質問もたくさん出ました。よかった!ちなみに、スピーカの方々は、

- AIST (Japan)
- CLARTE (France)
- Golaem (France)
- INRETS (France)

CLARTEとGolaemという会社を、私は今回初めて知りましたが、このようにVRに特化した小さな会社がたくさんあるんですね。しかも、みなさん非常に美しいプレゼンをされるのです。

昨日も感じたことですが、ヨーロッパにはVR関連のプロジェクトがたくさんあって、そのなかの多くが、国の支援を受けているようです(しかも結構な金額で...)。しかも、リーダやソフトウェア企業が、ほとんど例外なく零細企業で、エンドユーザである大企業がそれを支えている構造。なにかうらやましい気がしました。典型的なプロジェクト構成は、以下のような感じです。

- coordinator(零細企業)
- academic(大学や国研)
- software(零細企業)
- end user(大企業)

もうひとつ感じたことは、アカデミアの成果が小さな企業に、いわゆるtechnology transferされる仕組みがあるようで、よい技術がちゃんと現実の問題に活かされているようでした。このあたりは、日本が見習いたいところではないでしょうか。

JVRC09 (3)

本日(2009年12月7日)は、JVRC09の初日です。フランス・リヨンのValPreという会議場です。外界からIsolatedされていて、集中できそうです(というか、ほかに何もできない)。

8:30amからのオープニングに続いて、10:30amからの、industrial programに参加しました。一応、co-chairなのです。スピーカは、Realicon(ドイツ)/TechViz(フランス)/3D(日本)/Dassault(フランス)。日本枠は最初に私に振られたのですが、私の今の立場だとちょっと...ということで、代わりにIGにお願いしたのです。英語ヘタだし。

午後は、2:00pmからの、industrial programに参加。ランチで一緒になった、Carcerano(イタリア)社長のプレゼンを聞いたのですが、何やら、車に関する設計論の哲学的な話でした。ヨーロピアンのはこのような話が多いですね。

4:00pmからは、本日知り合いになった慶応の学生さんのご発表を聞くために、paper sessionに参加しました。まだM1でひとりで参加、しかも国際会議での発表は初めてとのことでしたが、堂に入ったものでありました。

JVRC09 (2)

これから、JVRC09に行ってまいります!

当地でネットが使えれば(そのはずですが)、適宜レポートいたします。

立体Expo'09セミナ (2)

本日(2009年12月4日)、以下の要領で、立体Expo'09のセミナが開催されました。
((株)アドコム・メディア殿メールより引用)

-------------------------------------------------

●【デジタルサイネージ】 12月4日(金)13:00-14:30
「 デジタルサイネージにおける 3D映像の可能性 」
講師 町田 聡 (デジタルサイネージコンサルタント)

●【AR】 12月4日(金)14:45-16:15
「 ARがもたらす未来 」
講師:暦本 純一 (東京大学大学院情報学環教授)

-------------------------------------------------

私は進行役で、タダ聴講!

町田さんは、韓国の事例を紹介されていましたが、これは私も行きました(2009年10月、KES2009出展)。確かに、町田さんは現地で写真をたくさん撮られていましたね。<サイネージ通り>みたいなところもありましたし。

暦本先生のご講演は、たいへん勉強になりました。ARは、私も10年来ウォッチしている分野で、開発プロジェクトもいくつかやったのですが、私の知らない題材も少なからずありました。

JVRC09

JVRC09(Joint Virtual Reality Conference 2009)は、12/07-09の会期で、フランス・リヨンで開催されます。私はindustrial co-chair兼exhibition co-chairなので、一応まいります。

Exhibition co-chairについては、結局アジア圏からの展示企業ゼロで、役立たずでした。この不況下では、なかなか厳しいです。最近では、これのMLで流れるメールが、ついにフランス語になってしまった。とはいえ、ほかのヨーロピアンはフランス語が読めるのだろうか?

Industrial co-chairについては、industrial trackというのを企画して、さまざまなトピックでセッションをまとめ、講演者を募るのですが、産総研どのからひとり呼ぶことができました。ありがとうございます!

とはいえ、いくつかのコマで空きができ、これはco-chair自身が責任を持つ、ということになりました。通常は、各co-chairが適当にしゃべる、という風になるのですが、私は人前でしゃべるのが嫌いなのと(さらに英語だし)、前職に絡んだ話はできないので、前職で参加するIGに頼みました(彼はポスターが通った)。彼はもちろん快諾(想定済み)。というわけで、日本からふたりとなりました(日本人はひとり)。

私の旅程は最短で、6日に出発、10日に当地発、です。リヨンは寒いのでしょうか?

ロシアとはどういう国か

東工大同窓会誌1016号(2009Winter)は、表紙が野村総研の社長さんですね。東工大OBでありましたか。

講演録で、大谷宏氏(SSPS Quest主宰)による、「路地裏から見たロシアとエネルギー産業」というのが載っていました。おもにロシア石油産業の話です。私は石油産業についてはまったく疎いので、ふ~ん、という感じで読みました。

最後に、「ロシアとはどういう国か」という話で締めくくられたのですが、冒頭が、「...私は、ロシア人は世界中のどこの人達とも異なる独特の世界観を持っているように思っています...」という出だし。ロシアに造詣の深いご友人のお話や、ロシア文学/ロシア音楽などから帰結されていますが、私のごくごく限られた経験でも、そうだよな~と思ったのです。

私は高校~大学の頃、ロシア文学にハマって、トルストイやドストエフスキーなどを読みましたが、トルストイはまだいいとしても、ドストエフスキーのは無茶苦茶ですよね。でも、それが何とも面白くて、「罪と罰」などは五回くらい読みました。音楽も、ラフマニノフのように、この世のものとは思えない美しい曲があるかと思えば(嫌いな人もいるそうだが)、ペレルマンというのがいきなり出てきて、ポアンカレ予想を解いちゃいますし(彼はいまどうしているのだろう)、つくづく面白い国だと思います。

いま、NHKで「坂の上の雲」を放送していますが、司馬遼太郎先生はその原作にて、ロシアについていろいろと分析しています。司馬先生もロシアに興味を持たれたらしく、そのあとロシアに関する著作を書かれていますね(未読)。

SIGGRAPH[ASIA]2009

(2009年)12月の楽しみといえば、やはりSIGGRAPH Asiaでしょうね。パシフィコ横浜で、12/16-19の四日間開催されます。みなさまは、レジストされましたでしょうか。私はACM会員で、しかも早期割引だったのですが、それでもかなり高いです。それに見合う内容であることを期待します。

初日の12/16は、テクニカルセッションはないので、コースへのアテンドを計画。"OpenCL: Parallel Programming for Computing and Graphics"という、一日コースがあるので、第一候補はこれでしょうね。
プロフィール

加納裕(かのうゆたか)

Author:加納裕(かのうゆたか)


[略歴]
1983年3月東京工業大学工学部機械物理工学科卒業
1983年4月(株)図研入社
1987年1月同社退社
1987年2月(株)ソリッドレイ研究所を6名で設立、取締役
1994年3月同社退社
1994年4月(株)スリーディー入社
1996年10月同社取締役
1999年12月上海大学兼務教授
2002年10月同社代表取締役
2009年9月ものつくり大学非常勤講師~現在
2009年10月同社代表退任/退社
2010年1月ソフトキューブ(株)入社~現在(技術顧問)
2017年4月湘南工科大学非常勤講師~現在


[業界団体・学会活動]
電気学会・第三期次世代インタラクティブディスプレイ協同研究委員会(幹事)/最先端表現技術利用推進協会・アカデミック部会(旧:三次元映像のフォーラム)(副部会長)/日本バーチャルリアリティ学会ハプティクス研究委員会(委員)/ACM・SIGGRAPH(Professional Member)/情報処理学会(正会員、CVIM会員)/3Dコンソーシアム(賛助会員)/3DBiz研究会(個人賛助会員)/URCF(特別会員)

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前職:立体映像産業推進協議会(幹事)/日本バーチャルリアリティ学会・論文委員会(委員)


[資格]
TOEIC805点
数学検定1級(数理技能)
中型・普自二免許
サッカー4級審判員

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