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iPhone 3D Programming

モバイル系3D関連の話が増えてきたので、"iPhone 3D Programming (2010)"をパラパラと見てみました。既に翻訳も出ていますが、原書志向の私は、やはり原書に手を出すのです。

iPhoneアプリ開発の主たる言語は、Objective-Cですが、本書では、Objective-Cは最小限にとどめ、グラフィックス関連は、C++でまとめています。C++が好きな人であれば、グッドニュースです。

本書の特筆すべき特徴は、OpenGL ES 1.1と2.0双方についての記述があることです。いまのモバイル機器の現状(=双方が混在)を考慮したものなのでしょうが、このような本は珍しいですね。たとえば、バンプ・マッピングについて、ES 1.1と2.0の実装が紹介され、結果として得られる画像も載せています(もちろん2.0の方がよい)。なかなかの試みですね。

数学があまり得意でない読者を想定して、全体として平易に書かれていますが、それでも、quaternionの補間や、法線ベクトルの変換と点の変換との違いのような、相応なレベルの話題についても言及しており、著者の実力を感じさせます。

まえがきに、"If you're already familier with 3D graphics ..., you can still learn a thing or two from this book..."とありますが、これは正しいです。お薦めいたします。
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Cycles of Time

Amazon.comから、"Cycles of Time: An Extraordinary New View of the Universe (2011)"の案内メールが来ました。ペンローズの新刊です!

安いので買おうと思っていますが、まだ、"The Road to Reality (2005)"も、半分(前半の数学編)しか到達していない私としては、積読になりそうですが、なにやら面白そうです。どうも、ビッグバンは宇宙の始まりではなかった、という主張のようですね。

既に、amazon.comで書評が出ています。まだ未刊なのに、なぜ書評があるのかが疑問ですが、それはよいとして、ふたつの書評はなかなか参考になります(特に最初の長いヤツ)。要するに、シロウトには読めない、ということですね。

年次計画発表会 (2)

先週金曜日(2011年4月22日)、当社の<年次計画発表会-2011年度>がありました。大阪・守口市にて。私は二回目の参加です。

一昨年度(2009.4~2010.3)は、例のリーマンであまり調子よくなかったのですが、昨年度(2010.4~2011.3)は、おかげさまで業績が回復いたしました。利益の一部を、震災被災地への義援金として寄付することもできました。

表彰制度というのがあるのですが、私なども、二つの部門で賞をいただきました。賞品は、iPadと商品券でした。殆どが、私が一緒に仕事をさせていただいた方々のおかげです。ひとりではなにもできません。ありがとうございました。

というわけで、本年度も頑張らないと!

無限級数 (5)

無限級数の謎を解明すべく、いろいろと書籍を調べていたら、Hardyの"Divergent Series (1992)"という本を見つけました。ハーディというのは、かのラマヌジャンの先生です。最も、ハーディ曰く、「自分が彼に教えたことよりも、彼から教えられたことの方が多かった」ということですが。

さて、"Divergent Series"のさわりを、amazon.comで見てみました。面白そうではありますが、どうも私が読める本でないことは明白です。というわけで、もう少しとっつきやすそうな本を、ということで、Knoppの"Theory and Application of Infinite Series (1990)"を見つけました。Doverで安いですしね。

しかし、購入したはいいけれど、これもとても難しいですね。ただ、ありとあらゆる無限級数が載っているので、ハンドブックとしても使えそうです。

以前本BLOGでご紹介した、

1 + 2 + 3 + ... = - 1 / 12 --- (1)

ほど奇妙ではありませんが、

1 - 1 + 1 - ... = 1 / 2 --- (2)

というのが載っていて、これも不思議な無限級数ですね。

電気学会・スマートユビキタスディスプレイ調査専門委員会 (2)

今週はじめ(2011年4月18日)、電気学会・スマートユビキタスディスプレイ調査専門委員会で、東工大(すずかけ台キャンパス)を訪問しました。今回の見学会は、私が担当幹事です。総勢11名。訪問したのは、以下の三つの研究室です(訪問順)。

1)佐藤誠先生(精密工学研究所)
2)山口雅浩先生(学術国際情報センター)
3)張暁林先生(精密工学研究所)

佐藤先生は、力覚生成装置"SPIDAR(SPace Interface Device for Artificial Reality)"の生みの親ですが、これの開発の歴史の説明や、デモをしていただきました。私は、このあたりは多少とも存じ上げています。

山口先生からは、いわゆる<ナチュラルビジョン>の説明。これは、通常のRGB三原色ではなく、多原色(或いはマルチスペクトル)を用いて、より忠実な色再現を目指そうという研究です。

張先生は、立体カメラの研究をされています。両眼の視覚制御系の研究に基づいて、独自の立体カメラ制御を構築されました。遠景を立体で撮るためには、カメラ間をかなり離す必要がありますが、それらがマスタスレーブで同期して動くという、スグレモノです。

懇親会は、学内のすずかけホールにて。そろそろ自粛ムードから抜け出さないと!

これからの「正義」の話をしよう (3)

サンデル教授の「これからの「正義」の話をしよう(2010)」(原書は"JUSTICE - What's the Right Thing to Do? (2009)")を、読み終えました!さすがベストセラー本、読後感は良いです。もっとも、難しくていろいろとわからないところがありました。まあ、普段なかなか考えないことが書かれてあるので、やむを得ませんか...

正義の拠り所として、著者は最初に三つ挙げています。すなわち、幸福(Welfare)、自由(Freedom)、美徳(Virtue)です。結論として、著者は美徳(Virtue)に基づくものが、最も優れているとしています。この結論を導くため、延々と論理を尽くすのですから、大したものです。

しかし、美徳を重んじるのは、日本人には当たり前のような気もしますが、アメリカではこれまでの歴史的経緯から、必ずしもそうではないようですね。

折しも、先日(2011年4月16日)、「マイケル・サンデル-究極の選択」というNHK特番がありました。東日本大震災をテーマに、日本、アメリカ、中国を中継で結び、議論するという趣向です。日本からは、ゲスト4人と東大などの学生さん、アメリカからはハーバード大の学生さん、中国からは復旦大学の学生さんが参加。

震災後の被災地の様子が、称賛とともに全世界に報道されていますが、サンデル教授は、もしかすると、本書で展開し結論づけた、氏が目指したい社会(=美徳に基づいた正義で動く社会)を、日本の被災地に見たのでしょうか。印象的だったのは、日本のゲストの誰か(石田衣良氏か高畑淳子氏かどちらか)が、「日本では当たり前のことですから」と、さらりと発言したことでした。そう、当たり前なんです!将来、これが当たり前でなくなる日が来ないことを望みます。

英語の勉強のために、原書(ペーパーバック)も買ってしまった!amazon.co.jpで987円と、翻訳に比べてかなり安いです。でも、読めるかな?

線型代数入門 (2)

空間のベクトル計算の基本中の基本は、<点と直線との距離>、そして<点と平面との距離>ですね。この計算方法をきちんと身につけていれば、いろいろと応用がききます。やはり内積がポイント。

齋藤正彦先生著「線型代数入門」の第1章に、その解法が丁寧に書かれてあります。<点と直線の距離>は、例3として、10-11ページに載っています。結果としては、

x0'=x1+{(a, x0x1) / (a, a)} a --- (1)

が垂線の足で、距離は、

|x0x0'|=√(|a|2|x0x1|2-(a, x0x1)2) / |a| --- (2)

です(各パラメタは推測可能)。直線の方向ベクトルaが正規化されていないので、ちょっと見通しが悪いですが、私の主張は、式(1)を経由せずに、式(2)が直接書けるようになるまで内積を理解すべし、ということです。式(2)は、ピタゴラスの定理を言っているに過ぎませんからね。

同様に、<点と平面の距離>は、例4として、12-13ページに載っています。上記の例と同様、垂線の足は、

x0'=x0-{((a, x0)-d) / (a, a)} a --- (3)

距離は、

|x0x0'|=|(a, x0)-d| / |a| --- (4)

で与えられます。これも、じっと内積を考えて、式(3)をスキップして、式(4)を導きたいですね。式(4)の意味するところは、ある長さからある部分を引くと、残りの長さになる、というあたりまえのことです。ここでも、平面の法線ベクトルaが正規化されていると、もっと簡単です。

ちなみに、本章の最後の例題は、<直線と直線の距離>です。これはちょっと厄介ですが、これがきちんとできれば、空間ベクトルの計算は卒業!

線型代数入門

三次元空間の幾何学というのは、突き詰めていくと結局のところ、点/直線/平面に対する計算ですね。

ちょっと関連の計算をしていて、私の線型代数のバイブル、齋藤正彦先生著「線型代数入門」第1章<平面および空間のベクトル>をおさらい。この本は、私が大学教養過程のときの線型代数教科書で、ここで三次元空間のベクトル計算を、初めて習ったのでした。これまではややこしい計算でなければ解けなかったのが、こんなに簡単に解けるんだ、と眼からウロコ!

いま見ても、よく整理されていると思います。私の持っている版は1966年のもの(著者35歳!)ですから、約半世紀前ですね。いま出ているのは、1996年のものですが、内容に変わりはないみたいです。30年経って再版となっても、内容が変わらないというのは見事です。

空間のベクトル計算をしている人で、どうもしっくりこないとか、もっとよい計算方法があるのでは、などとお悩みの人は、ぜひ一度トライしてみてください。内積の使いこなしがカギです。

Collision Detection

いま仕事で、Collision Detectionを調べているので、情報をちょっとまとめます。備忘録です。

専門の書籍では、以下のものですね。

1)"Collision Detection in Interactive 3D Environments (2003)", Gino van den Bergen
2)"Real-Time Collision Detection (2005)", Christer Ericson

双方とも以前眼を通しました。感想ですが、いまは手元にないので、記憶をたどりよせると...

1)は基本的には、GJK(Gilbert-Johnson-Keerthi)法の説明です。著者はGJK法に詳しいのです。2)の方が扱っている題材は豊富ですが、その分ちょっと薄まっているような...1)の方が印象が良かった気がします。

論文としては、多面体に関するふたつの代表的アルゴリズム、つまり、GJK法とLC(Lin-Canny)法について、

3)"A Fast Procedure for Computing the Distance between Complex Objects in Three-Dimensional Space", IEEE Journal of Robotics and Automation, vol. 4, no. 2, pp. 193-203, April 1988.
4)"Efficient Algorithms for Incremental Distance Computation", IEEE Conference on Robotics and Automation, pp. 1008-1014, 1991.

がオリジナルと言われています。20年くらい前のものですから、そのあと改良版がぞくぞくと。

バウンディング・ボリュームなどの近似手法については、計算が基本的なプリミティブに帰着できるので、それこそたくさんの書籍が関連しますが、やはりDavid Eberlyの一連のものがお薦めでしょうか。

関内というところ (5)

関内に<馬車道>という風情のある通りがあって、人気スポットのひとつです。洒落たお店が並んでいます。いらした方も多いのではないでしょうか。

ここから横浜駅方面に向かって歩いていくと、徒歩10分以内で桜木町駅に着くのですが、このあたりは人通りが少ないです。つまり、ハザマですね。でも、このあたりも歩いてみると、なかなか面白いですよ。

<ラーメン協議会>会長P社S氏から、タンメンのおいしい店を教えてもらったのですが、ここが、馬車道から、2本桜木町側に入った路地にあります。知らなければ、絶対に通らないところですね。正に、場末という感じです。

それから、赤レンガ造りの堂々たる外観を持つ<馬車道十番館>ですが、これも馬車道からひとつ桜木町寄り。この建物は、「これぞ横浜!」という造りなのですが、馬車道からは見えないので、探したけれど遂に見つからなかった!という観光客もいるのでは?喫茶店/レストラン/バーと、好みに応じて楽しめます。この週末も、両親など家族で昼食をとりました。値段はちょっと高めですけれど、当地を訪れた記念には良いかも知れません。

これからの「正義」の話をしよう (2)

サンデル教授の「これからの「正義」の話をしよう(2010)」(原書は"JUSTICE - What's the Right Thing to Do? (2009)")を、第5章まで読みました(全10章)。やっぱり面白い!(偏屈はやめた方がよい)

第5章は、「重要なのは動機ーエマヌエル・カント」と題して、カントの道徳観を披露しています。これが、かなり世間の常識とかけ離れているものなのです。たとえば、「他者を助けるときは、それにより喜びが得られるという理由で行うよりも、義務感に駆られて行ったほうが、より道徳的価値が高い」、というものです。或いは、「友人を殺人者から自宅にかくまっている場合でも、その殺人者に嘘をついてはいけない」などです。え、なんで?いずれにせよ、この章はなかなか読ませます。クリントン元大統領の例のスキャンダルも取り上げ、彼を擁護していますが、すごい論理です...

しかし、カントと言えば、高校のときに、できるだけ難しそうな本を読もうということで、岩波文庫でカント本を買って読んだことがありました。しかしこれが、全くわからなくて、単に活字を追うことに終始したという記憶があります。たぶん、これまでで最もわからなかった本だったかも知れません。原著にあたるのを良しとする私ではありますが、さすがに限度というものがあるのです。

10 things to learn from Japan

東日本大震災に関して、世界銀行や国際通貨基金の内部で言われていることとして、"10 things to learn from Japan"というのがあるそうです。<Bizスポブログ>飯田香織氏の記事(2011年4月11日付け)で知りました。以下に引用いたします。意訳は坂之上洋子氏です。既に有名らしくて、あちらこちらで引用されています。

(引用開始)--------------------------------------------

<10 things to learn from Japan>
<日本から学ぶ10のこと>

1. THE CALM--Not a single visual of chest-beating or wild grief. Sorrow itself has been elevated.
静寂--そこには威勢よく騒ぐ人はなく、嘆きにくれ叫ぶ人の姿もない。ただ、悲しみの存在だけがこみあげている。

2. THE DIGNITY--Disciplined queues for water and groceries. Not a rough word or a crude gesture.
威厳--水と食料のための待ち行列は規律があり、そこでは荒い言葉をはいたり、粗雑な行動をとる人がいない。

3.THE ABILITY-- The incredible architects, for instance. Buildings swayed but didn't fall.
能力--信じがたいほどの能力ある建築家たち。ビルは揺れた。しかし崩れたビルはなかった

4. THE GRACE--People bought only what they needed for the present, so everybody could get something.
品格--人々は自分達が当面必要としたものだけを買った。だから、皆がそれぞれ何かものを手にいれることができた。

5. THE ORDER--No looting in shops. No honking and no overtaking on the road s. Just understanding.
規律--店での略奪はなく、路上でも追い越しや叫ぶものはいない。皆が理解を示している。

6. THE SACRIFICE--Fifty workers stayed back to pump sea water in the N-reactors. How will they ever be repaid?
犠牲--原子炉にポンプで海の水をかける為にとどまった50人。彼等にこの恩をどう返せばよいのか?

7. THE TENDERNESS--Restaurants cut prices. An unguarded ATM is left alone. The strong cared for the weak.
やさしさ--レストランは値下げをし、警備のついていないATMはそこに放置されたままである。そして強い人は弱い人の世話をしている。

8.THE TRAINING--The old and the children, everyone knew exactly what to do. And they did just that.
訓練--老人、子供、皆はそれぞれ何をしたらよいのかきちんと知っており、そして、彼らは淡々とそれをしている。

9.THE MEDIA--They showed magnificent restraint in the bulletins. No silly reporters. Only calm reportage.
メディア--報告する時に抑制し落ちついている。愚かなレポーターがいない。落ちついたルポが続いている。

10. THE CONSCIENCE--When the power went off in a store, people put things back on the shelves and left quietly.
良心--店で電源が切れた時に、レジに並んでいた人々は、物を棚に戻し、静かに店を去った。

Truly Inspirational --what is happening in the Land of the Rising Sun.
本当にInspirational--日出ずる国で起こっていること。

(引用終了)--------------------------------------------

ちょっと美しすぎる気もしますが、こんな風に思われているって、やっぱり日本って、素晴らしい国ですね!日本人でよかった...日本の将来が不安視されて久しいですが、これを見るとそんなことはないですね。

OpenGLを用いた立体視プログラム (2)

昨日(2011年4月11日)のBLOGへの補足です。よく見落とされること(或いは誤解を招くこと)への注意点です。

1) gluLookAtなど、視野変換に関する関数は、立体視には直接の関係はありません。立体視は、視野座標系で考えればよいので、視野座標系がどのようにして定義されたかということ(=これが視野変換)を、知る必要はありません。つまり、透視投影変換だけを考えれば、それで十分です。

2) glTranslate*の第1引数に、"distance"が含まれるように、眼間距離(=glTranslate*第1引数の倍)というのは、可変となり得ます。理由は、逆説的ですが、実際に立体視をする環境においては、観察者とディスプレイ面の距離は固定だからです。ということは、CG座標系において、視点と視差ゼロ面との距離を可変とするような効果を出す場合(つまり、上記の例では、distanceを可変にする場合)、それを打ち消すように、眼間距離を変化させる必要があるわけです。

3) CGを作る際の視野角は、良好な立体視を得ようとする場合には、出来る限り、実環境に合わせる必要があります。やむを得ず、合わせられない場合、その影響を事前に定量的に把握しておく必要があります。特に、スケール感が変わる可能性のあることに注意します(立体視において、視野角の議論がほどんどなされないことに、私はちょっと驚いています)。

エッセンスだけだと、かなり単純なのですが、これら注意でちょっとややこしくなりましたね...

OpenGLを用いた立体視プログラム

OpenGLを用いた立体視プログラムの作り方というネタは、いまだニーズがあるみたいですね...

CQ出版社の月刊誌、<インターフェース>2011年1月号に、<OpenGLを使って立体視の絵を作ろう!>という記事を書きましたので、それをご覧いただきたいのですが、手に入らないという方のために、エッセンスだけを載せておきます。ムダは一切ありません!(世界最短?)

(エッセンスはじまり)------------------------------------------

まず、左眼用ですが、以下のようにして、透視投影行列を作ります。

glFrustum(-zNear * (fovx_tan - eye), zNear * (fovx_tan + eye), -zNear * fovy_tan, zNear * fovy_tan, zNear, zFar);
glTranslated(eye * distance, 0, 0);

同じように、右眼用の透視投影行列は、以下の通り。違いは符号だけ3か所。

glFrustum(-zNear * (fovx_tan + eye), zNear * (fovx_tan - eye), -zNear * fovy_tan, zNear * fovy_tan, zNear, zFar);
glTranslated(-eye * distance, 0, 0);

上記で、OpenGL的に推測できないパラメタは、eyeとdistanceですが、

A) eyeは、立体視を行う実環境において、観察者の眼間距離(通常は6.0~6.5cm)の半分を、観察者とディスプレイ面との距離で割った無次元数
B) distanceは、CG座標系(ワールド座標系などとも言う)における、視点(=カメラ位置)と視差ゼロにしたい面との距離。

(エッセンスおしまい)------------------------------------------

つまり、各眼あたり、2つのOpenGL関数で事足ります。簡単でしょう?

これからの「正義」の話をしよう

私は偏屈なので、ベストセラー本は避ける傾向にありますが、サンデル教授の「これからの「正義」の話をしよう(2010)」(原書は"JUSTICE - What's the Right Thing to Do? (2009)")はさすがに無視できなくなってきて、ついに買いました。元々このようなテーマには興味がありますので、もっと早く買ってもよかった。

いま第3章まで読みました(全部で10章あります)。ここまでの感想としては、ひとえに<論理の組み立て方の勉強になる>、ということです。このように、論理をグイグイと推し進めるさまは、なかなか日本の著作には見られないところです。翻訳もいまのところ、なかなか読みやすいです。

ただ、ところどころに違和感がありまして、たとえば、冒頭で、「ハリケーンで被害にあった人に対して、家の修理代や水を高く吹っ掛けるのは不当か否か」、という問題提起がありました。このような提起は、たぶん日本ではあり得なくて、こんなことをやってしまった人は、恐らくですが、社会的に抹殺されると思います。いま地震被災地の惨状が報道されていますが、このようなことは私の知る限りはないはずです。というか、あってはいけない。

それが、アメリカでは、上記の議論が一応成立するらしいです。もちろん、感情的には日本人とそんなに変わりはないと思うのですが、それでも、意見することは自由なので、まずそれは聞きましょう、という社会の了承があるのでしょうか。

私などは、上記の問題提起などは、「議論の余地なし」「こんな議論に肯定的主張する人の人格を疑う」などとなってしまうのですが、それでも、あらゆる可能性を考えて議論しようとする姿勢に対しては、何かしら敬服する(或いは羨ましい?)思いはありますね。読み進めるのが楽しみです。

今後のマラソン予定 (4)

突然ですが、今後のマラソン予定のアップデートです。直近としては、以下のもの。

1)第10回さくらんぼマラソン(山形、2011年6月12日、ハーフ)

この頃になれば、山形新幹線も大丈夫でしょう!あ、既に大丈夫?

さて、フルですが、以下のふたつから選択。

2)第6回湘南国際マラソン(神奈川、2011年11月3日、フル)
3)第15回大阪・淀川市民マラソン(大阪、2011年11月6日、フル)

淀川は前回走って、魅力がありますが、やはり地元優先?もちろんふたつはムリです。

3D映像の演出 (2)

「S3D制作の基礎の応用-実写からアニメまで-」という冊子を三冊頂きました。七丈直弘・羽倉弘之両氏(早稲田大学高等研究所)による編著です。

これは、経済産業省委託事業で、平成22年度「コンテンツ産業人材発掘・育成事業(アニメ人材基礎力向上事業)」(「一般社団法人日本動画協会」委託事業)の、報告書別冊です。全180ページ。

先日(2011年1月12日)、関連テーマによるグループインタビューに招待いただいたのですが、この事業の一環によるものでした。その模様が本報告書にも9ページ割かれています。

原発事故報道で使われる数学

原発事故のニュースが連日報道されています。内容はかなり専門的ですね。たとえば、<シーベルト(Sievert)>などという単位は、通常はお目にかかりません。シーベルトという単位を知っている国民の割合は、ダントツで日本が高いでしょうね。マイクロとミリの換算もお手のものです。

ところで、それに付随して、数学的な解説も散見されます。これが結構難しいと思うのです。

たとえば<半減期>。ヨウ素131の半減期が約8日というのも、既に周知ですが、もしかすると、8日で半分になるのだから、16日で全部なくなっちゃう、などと考える方もいらっしゃるかも知れません。これはもちろん間違いで、放射性物質は指数関数で減りますから(つまり、現在の分量に比例した速度で減ってゆく)、減る割合はどんどん小さくなっていきます。そして、無限時間経ったときになくなる、というわけです。きちんと説明しようとすると、そんなに簡単ではないはずです。

あるいは、シーベルトの時間当たりとか、年あたり、というくだり。これもかなり混乱を招いていますね。シーベルト/時というのは、ある意味、微分とみなしてもよいですが、シーベルト/年というのは、これは積分と言えますね。この違いの解説が、自然言語ではなかなか難しいので、「ほうれんそうを食べ続ければ...」などという話になってしまいます。私には、「食べ続ける」という表現が非常に奇異に聞こえるのですが、他によい表現もないですしね。

関西出張 (6)

先日(2011年4月1日)は、地震後二回目の関西出張でした。

大阪環状線に乗っていたら、アナウンスがありました。なんでも、福島からの部品が調達できないので、今後は運行本数が少なくなる、とのことでした。

これにはちょっとビックリしたのですが、同時にちょっとホッとしました。「ホッとした」、というのは不謹慎かも知れません。うまく表現できないのですが、「あ、日本はやっぱり繋がっている!」、という感覚を持ったのです。

地震後最初の関西出張は、3月16日の京都でしたが、交通機関混乱/計画停電/食材無し、の首都圏から来た身には、あまりにも平常だったので、かなりのギャップを感じたのでした。あれ、日本は西と東で分断されている?でも、そんなことはなかったですね。日本はひとつですからね。

Polygonal Techniques

3DCG系をやっていると、どうしてもポリゴンベースの処理の話が出てくるのですが、この分野のきちんとした書物というのは、意外にないですね...

"Real-Time Rendering 3rd edition (2008)"の12章に、"Polygonal Techniques"というのがあります。この章はそれほど内容が深いわけではないので、ちょっと難しいことをやろうとすると、個別の文献にあたらないといけません。これが面倒くさいわけです。もう少し整理され、しかも(ポインタ集ではなく)自己完結的なマテリアルはないのでしょうか。

ちなみに、ポリゴン系で、誰もが知っているようなアルゴリズムって、もしや、marching cubesだけ?これは、1987年発表と、かなり古いですね(パテントは切れたのだろうか?)。まあ、もっとあると思いますが、自由曲面分野に比べると、統一的な理論背景がないという印象がありますね(私だけだろうか)。

要するに、自由曲面分野での、Farin著、"Curves and Surfaces for Computer Aided Geometric Design"や、Piegl&Tiller著、"The NURBS Book"のようなレベルのもので、ポリゴン系に特化したものがないのかな~ということです。イメージとしては、たとえば、"Symposium on Geometry Processing"という専門の国際会議がありますが、この中の良質でかつ実際的なものを、初級者~中級者のためにまとめたようなものです。分筆だと、どうしても個別研究の寄せ集めになるきらいがあるので、単一著者だといいですね。ちょっと贅沢ですか。
プロフィール

加納裕(かのうゆたか)

Author:加納裕(かのうゆたか)


[略歴]
1983年3月東京工業大学工学部機械物理工学科卒業
1983年4月(株)図研入社
1987年1月同社退社
1987年2月(株)ソリッドレイ研究所を6名で設立、取締役
1994年3月同社退社
1994年4月(株)スリーディー入社
1996年10月同社取締役
1999年12月上海大学兼務教授
2002年10月同社代表取締役
2009年9月ものつくり大学非常勤講師~現在
2009年10月同社代表退任/退社
2010年1月ソフトキューブ(株)入社~現在(技術顧問)
2017年4月湘南工科大学非常勤講師~現在


[業界団体・学会活動]
電気学会・第三期次世代インタラクティブディスプレイ協同研究委員会(幹事)/最先端表現技術利用推進協会・アカデミック部会(旧:三次元映像のフォーラム)(副部会長)/日本バーチャルリアリティ学会ハプティクス研究委員会(委員)/ACM・SIGGRAPH(Professional Member)/情報処理学会(正会員、CVIM会員)/3Dコンソーシアム(賛助会員)/3DBiz研究会(個人賛助会員)/URCF(特別会員)

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前職:立体映像産業推進協議会(幹事)/日本バーチャルリアリティ学会・論文委員会(委員)


[資格]
TOEIC805点
数学検定1級(数理技能)
中型・普自二免許
サッカー4級審判員

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