FC2ブログ

ベイズの定理 (6)

Andrew Gelman, et., al., Bayesian Data Analysis Third Edition, CRC Press (2014).

8ページに、ベイズの定理のイントロとして、血友病(hemophilia)のcarrierかどうかの推定問題があります。

血友病は、X染色体の異常です。男性はXYなので、Xが異常であれば、必ず発病します。対して女性はXXなので、ひとつだけ異常でも、carrierとはなりますが、発病はしません。

さて、問題はこうです。血友病の兄弟を持つ女性が発病していないとき、carrierかどうか、というもの。お父さんは発病していないとします。この状態では、お母さんがcarrierなので、それを受け継ぐ可能性は50%です。これがいわゆるcarrierである事前確率。

ここで、この女性の息子二人が、発病していないとします。これをデータとしたとき、女性がcarrierである事後確率を求めなさい、という問題です。これはベイズの定理そのもので、

(事後確率) = (0.5 x 0.25) / (0.5 x 0.25 + 0.5 x 1.0) = 20% --- (1)

と求まります。

おそらく、ここでnon-Bayesianは考える。データが得られようが得られまいが、女性がcarrierである確率は50%です。それはそうなので、息子がどうであろうと、それは変わらないはず?

このあたりが、Bayesianとnon-Bayesianを分ける境界のような気がしますね。私はもちろんBayesian。
スポンサーサイト

日本VR学会の日 (3)

本日(2016年3月30日)は、日本バーチャルリアリティ学会の日です。いつもの東大・本郷キャンパス。

12:00~14:00:論文委員会
15:00~16:00:評議員会
16:00~17:00:総会
17:30~19:00:懇親会

評議員会は、話すことがなくなってきた。

線型代数学 (4)

線型代数、いちおう分かっているつもりだったんですが...また混乱しました。

齋藤正彦先生「線型代数学(2014)」の109ページ、例4.1.4の3)です。これは、固有多項式が重根を持ち、しかもそれに対応する固有ベクトルがひとつしか取れない場合です。2)は、同じく重根を持つけれど、対応する固有ベクトルはふたつ取れました。この違いは理解しているつもり。

でも、ここでまた勘違いをして、3)の場合、もともとの行列は正則ではないと思ってしまった。これは正しくなくて、行列式はゼロにはなりません。ただ、対角化ができないということ。いつも間違えるところです。

ジョルダン標準形をこれまで避けてきたんですが、このあたりですね。つまり、正則でも対角化できない場合です。ジョルダン標準形には必ずできるので、ここを理解しないと、おそらくまた混乱すると思われます。

Bayesian Biostatistics (2)

Emmanuel Lesaffre and Andrew B. Lawson, Bayesian Biostatistics, Wiley (2012).

衝動買いに近かったのですが、これは当たりました。良書です。FrequentistとBayesianの対比にかなり割いています。恐らく、この分野での<慣習>を変えたいのだと理解しました。気合いが入っています。

ところで、同書はもともと、amazon.co.jpからの翻訳書のリコメンドで知ったのですが、翻訳本のamazon.co.jpページには、以下のような解説があります。

「本書は、近年、非常に注目を集めているベイズ統学計に関する医薬統計分野における非常に優れた書“Bayesian Biostatistics”の翻訳である。」

不思議なのは、原書のamazon.comページには、レビューが全くないことです。上記のような説明であれば、たくさんのレビューがあってもよいはず。最新刊というわけでもありません。既に4年が経過しています。

良書には間違いないので、不思議なのですが、穿った見方をすれば、本書はこの分野ではまだ「異端の書」なのではないでしょうか。なので、レビューを書くことができない?じゃぁ、私がヘタな英語で書こうかな...

大分 (2)

本日(2016年3月25日)は、大分で休暇をいただいています。私的なイベントがありまして...

固有値問題

線型代数における固有値問題において、固有方程式が重解をもつときの、固有空間についてです。以前の関連記事はこちら。当時は混乱していました。

http://kanouy.blog9.fc2.com/blog-entry-866.html

問題は、重複度を持つ固有値に対する固有空間の次元です。これをどのように知るか。

これは、その固有値に対応する連立一次方程式を解けばよいです。つまり、定番の掃き出し法で、確認すればよろしい。でも、このことはあまり教科書には載っていないです。なぜでしょう。

おそらく、この時点では、掃き出し法はマスターしているので、当然のことと見なされるのでしょうが、盲点のような気がします。私だけでしょうか。

テクノロジー・ロードマップ

日経BP社発行、「テクノロジー・ロードマップ 2016-2025 ICT融合新産業編」、仮想現実(VR)の項を担当いたしました。第1章の8です。

30万円もする本なので、私は買うことができません...なので、最終稿のあと、見られていません。どなたかお手元にあれば、お知らせください!

佐藤誠先生最終講義

東工大・佐藤誠先生の最終講義が、2016年3月19日に行われました。すずかけ台キャンパスにて。

前日から、日本VR学会・力触覚研究会だったのですが、それに続く(というか、研究会が前座の立場)形で行われました。最初に「記念シンポジウム」として、先生とゆかりのある方々8名ご発表。

最終講義のタイトルは、「栞糸-40年間の大学生活を振り返る-」でした(<栞糸>は<しおりいと>と読みます)。ご入学からを含めると、47年になるそうです。SPIDARの話は有名なので、私も知っていましたが、個人的に興味を持ったのは、それ以前の話です。ヴィジョン系のご研究です。SPIDARだけをご存じの方は、えっ!という内容でしょうね。

最終講義は、すずかけホールが満席で立ち見状態。そのあとの祝賀会も盛況でした。海外から多くのビデオメッセージが来ていて、上映されました。奥様のアイリッシュハープ演奏も。佐藤先生のお人柄が、堪能できる会でした。最後に、スマホ用のSPIDAR-Sをいただきました。私はスマホは使ってないけれど。

お疲れさまでした!と言いたいところですが、引き続き場を変えて(都内および上海)、研究活動を継続されるようです。

力触覚の提示と計算研究会 (7)

本日(2016年3月18日)、日本VR学会<力触覚の提示と計算研究会>があります。東工大・すずかけ台キャンパスにて。

明日は、同大・佐藤誠先生の退職記念講演会/最終講義/祝賀会があります。こちらも参加いたします。いろいろとお世話になった先生です。

AlphaGo

AlphaGoについて、何か書きたい!でも、難しいので書けません。

とはいえ、技術的な裏付けはまるでないけれど、自分の感想を書くのは自由です。というわけで、適当に...

私は、李九段の5連勝を確信していました。それがまさかの3連敗。それで大騒ぎになったわけですが、考えてみれば、19x19の空間を持つ囲碁というゲームは、ヒトにとってもかなり難しいわけです。なので、いまの囲碁の定石というのは、これまでのヒトの経験(または歴史)から成立したものであって、最善手(があるとすれば)とはかなり外れたものだったのではないか、と思いました。私は囲碁はルール程度にしか知らないので、あくまでも推察です。詰碁は例外です(詰将棋と同じ)。

なので、AlphaGoは、囲碁の定石の発展に貢献すると思います。四戦目は李九段が一矢報いました。恐らく五戦目も李九段が勝つ(と思ってたら、負けてしまった。なぜ?)。将棋のほうでは、最後におかしなことになり、すっきりせずに終わりましたが、囲碁はここ当面、お互いの切磋琢磨が続くと予想します。というか、そうなってほしい。

AlphaGoがヒトに比べて断然有利な点は、感情がないことですね。焦りとか狼狽とかがないので、どんなバカげた手を打っても(AlphaGoは気が付かないが)、挽回しなければ!という気もないので、何事もなかったかのように淡々と打てます。沈着冷静です。

線型代数学 (3)

齋藤正彦先生著「線型代数学(2014)」の話です。線型代数本では、最近はこれを薦めています。読みやすいです。

さて、曰くつきの問題、すなわち、66ページ、例2.4.7です。版権の問題がありそうなので、具体的には載せません。

やっぱりこの解答も、どうも違うようですね...任意となる変数の符合が逆なんです。解答ではイチとなっていますが、マイナスイチです。正誤表にはまだ載っていないようです。

このあたり、ちょっとややこしいところです。アタマが混乱しますね。

Bayesian Biostatistics

amazon.co.jpから、'医薬データ解析のためのベイズ統計学 (2016)'という本がレコメンドされてきました。おそらく、私がベイズ本を買い込んでいるので、これも買いなさい、ということですね。

でも、私は医薬はまるで関係ないので、流そうとしたのですが、ベイズなので少し興味を持ちました。さらに知人が最近、医療統計をやっている。

私は専門書の翻訳本は読まないので、原書にあたってみました。'Bayesian Biostatistics (2012)'という本です。'Look inside'で見てみると、かなりの良書っぽいです。前半(というか2/3)の理論は、特に医薬に特化しているわけではありません。なので、amazon.comで購入してしまいました。レコメンド恐ろしい!こういうので、何冊買ったのだろう?

なぜかすぐに到着。流し読みに入ってます。翻訳書は1万円近くするようですが、原書は7千円台(送料込み)です。

発散の謎

無限に発散するとは?よくわからなくなってきた。

調和級数という、不思議な級数があります。すなわち、

Σ(1/n) --- (1)

式(1)はn→∞で発散すると言われています。でも、いつするのでしょうか?式(1)が発散する証明は、ふつうの微積本に載っています、でも、私はいまいち納得できない...

式(1)は、実質logですが、これも発散しそうにない。すみません、いつもの戯言でした。調和級数については、以前記事を書きました。

http://kanouy.blog9.fc2.com/blog-entry-575.html

Bayesian Data Analysis (3)

Andrew Gelman, et. al., Bayesian Data Analysis Third Edition, CRC Press (2013).

少しづつ読んでいます。気の遠くなるような情報量ですが、マイペースで...

わけあって、'Part IV: Regression Models'、のところを拾っています。ここのスピード感が半端ではありません。たとえば、計画行列(design matrix)を用いた最小二乗法の結果が、説明なしに出てきます。このあたりはprerequisite(でもこれはわかる、さんざんやったから)。これをBayesにしていきます。

最も単純なケースでは('in the simplest case')、観測値yを以下のように表します。

y|β,σ,X~N(Xβ,σ2I) --- (1)

等分散なので簡単、というわけです。そうすると、ここからテンポよく進み、

σ2|y~Inv-χ2(n - k,s2) --- (2)

ときました。式(2)の右辺は、'scaled inverse-χ2'です。むむ、'scaled'とは?Wikipediaの英語版に辛うじて載っていました。日本語版はございません。更にこのあと、等分散ではない一般化もされます。面白いかも。

情報処理学会第78回全国大会

本日(2016年3月10日)から開催される、情報処理学会第78回全国大会にアテンドします。慶応義塾大・矢上キャンパスにて。事務所からすぐのところです。

この大会、3年前に、発表者の連名となったので、東北大学まで行きました。昨年は京都大学にも行きました。情報処理関連のセッションが網羅され、トレンドの把握になります。セッション名も当世を反映したものとなっています。

Mathematics for 3D Game Programming and Computer Graphics (7)

Eric Lengyel, Mathematics for 3D Game Programming and Computer Graphics, Third Edition (2011).

Chapter 13は、'Linear Physics'と題された章です。約20ページと短いながら、微分方程式と物理の基礎が説明されます。章立ては以下のようです。

13.1 Position Functions
13.2 Second-Order Differential Equations
13.3 Projectile Motion
13.4 Resisted Motion
13.5 Friction

こんな感じで、必要なことがすべて学べます。'quick course'ですが、素晴らしい内容!

私はこの程度のものはOKと、油断していたら、以下の記述で不覚にも戸惑いました。すなわち、

x(t) = x0 + v0t + (1/2)gt2 --- (1)

式(1)は、抵抗がないときの自由落下の式ですが(原書では式(13.74))、これと、

x(t) = x0 + (g/k)t + ((kv0 - g)/k2)(1 - e-kt) --- (2)

式(2)の、抵抗があるときの自由落下の式が(原書では式(13.96))、k→0のとき、同じになるということです。問題を感じられたみなさまには、本書が味方となります。

非線型空間の謎 (2)

同タイトルでの以前の記事はこちら(↓)です。かなり時間が経ちました。

http://kanouy.blog9.fc2.com/blog-entry-477.html

最近、某Aさんより、SNEというのを教えてもらいました。SNEとは、'Stochastic Neighbor Embedding'の略です。日本語に訳すと、確率的近傍埋め込み、などでしょうか。

要するに、高次元データを2次元平面にマップするというものです。このような手法はさまざまありますが、SNEはかなり性能がよいようですね。考え方としては、高次元空間での親密度を表す確率密度と、2次元平面での確率密度を、KL-divergenceが小さくなるように計算してやる、ということです。さらに、SNEを改良したt-SNEというのがあります。t-というのはt分布です。

ところで、以前の上記記事で言及した、Nonliear Dimensionality Reduction (2007)"ですが、その後売っぱらってしまった。ちょっともったいないことをしました。でもかなり高く売れました。

行列式の微分

暇つぶしには、'The Matrix Cookbook'、が最適です。面白い行列の計算が満載!

最初のほうに、<行列式の微分>というのがあります。すなわち、

∂det(X)/∂X = det(X)(X-1)T --- (1)

これは不思議な式です。というわけで、2x2のもので検証してみましょう。

X = {{a,b},{c,d}} --- (2)

とすると(Mathematica表記)、

det(X) = ad - bc --- (3)

です。これをXで微分すると、

∂det(X)/∂X = {{d,-c},{-b,a}} --- (4)

ですが、一方では、

det(X)(X-1)T = {{d,-c},{-b,a}} --- (5)

なので、式(4)(5)から、式(1)が示されました。でも、n次元の場合は、どうやるんでしょうね。検証するわけにはいかない。

なでしこジャパン (3)

なでしこジャパン、リオ五輪、ちょっとやばいかも...

オーストラリア戦は、初戦ということや不運もあり、やむを得ないとしても、韓国戦は勝てました。最後の同点シーンは、非常に残念。

精神的な支柱がいないという感じですね。いまさらながら、澤の重要性を感じます。あと3戦、がんばっていただきたい。

総和と行列 (2)

http://kanouy.blog9.fc2.com/blog-entry-1519.html

において、「Σは嫌いですし、それに付随する添え字も嫌いです」などと書いたところ、やはり間違えました。添え字の呪いです。というわけで、修正して再アップしました。

しかし、RSS readerのfeedlyって、更新されないんですね。なので、こちらは間違ったままです。オリジナルのほうをご覧ください。それ以前にもたくさん間違いをしています。裁判になっても(ならないけれど)免責であります。

と、ここまで書いてから、readerの修正されないほうを見直したところ、これはこれで表記は正しいですね。ただし、行列では行と列が逆になります。これはダメです。

総和と行列

最小二乗法の定式化において、基底関数j、データiの値、

φij --- (1)

を要素とする行列をΦ(design matrixという)とすると、

E = |y - Φw|2 --- (2)

と書けます。一方では、総和記号を用いて、

E = Σ|yi - Σφijwj|2 --- (3)

と書くスタイルもあります。私は式(2)のほうが、断然読みやすいのですが、これは好みなのでしょうか?Σは嫌いですし、それに付随する添え字も嫌いです。アタマが痛くなります。

Bayesian Reasoning and Machine Learning (4)

David Barber, Bayesian Reasoning and Machine Learning, Cambridge University Press (2012).

いままたPRMLに取り掛かっているので、相変わらず読めていません。なんか読みづらい。

ところで、同書にはオンライン版があります。著者のホームページに、PDFがアップされています。散見されるインチキなものではなく、ちゃんとオーソライズされているものです。

このオンライン版(というかPDF)、赤字で訂正(errata)、青地で追加(addenda)されています。非常に丁寧な改訂がなされています。これはすばらしいのですが、こんなのが公開されていると、書籍を購入する人っているのでしょうか?ちょっと不思議です。
プロフィール

加納裕(かのうゆたか)

Author:加納裕(かのうゆたか)


[略歴]
1983年3月東京工業大学工学部機械物理工学科卒業
1983年4月(株)図研入社
1987年1月同社退社
1987年2月(株)ソリッドレイ研究所を6名で設立、取締役
1994年3月同社退社
1994年4月(株)スリーディー入社
1996年10月同社取締役
1999年12月上海大学兼務教授
2002年10月同社代表取締役
2009年9月ものつくり大学非常勤講師~現在
2009年10月同社代表退任/退社
2010年1月ソフトキューブ(株)入社~現在(技術顧問)
2017年4月湘南工科大学非常勤講師~現在


[業界団体・学会活動]
電気学会・第三期次世代インタラクティブディスプレイ協同研究委員会(幹事)/最先端表現技術利用推進協会・アカデミック部会(旧:三次元映像のフォーラム)(副部会長)/日本バーチャルリアリティ学会ハプティクス研究委員会(委員)/ACM・SIGGRAPH(Professional Member)/情報処理学会(正会員、CVIM会員)/3Dコンソーシアム(賛助会員)/3DBiz研究会(個人賛助会員)/URCF(特別会員)

----------------

前職:立体映像産業推進協議会(幹事)/日本バーチャルリアリティ学会・論文委員会(委員)


[資格]
TOEIC805点
数学検定1級(数理技能)
中型・普自二免許
サッカー4級審判員

最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QRコード