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立体視 (6)

先日の某会合にて、「大画面用(たとえば映画)の立体映像を、小さな画面(たとえばテレビ)で観ると、立体感が強調されて見づらい」と主張された方がいらっしゃいました。

これは私には意外なことであって、興味を覚えました。なぜなら、私の計算によると、このような状況では立体感はより緩和され、見やすくなる(=立体感がなくなる)と思っていたからです。これは、本BLOGの2010年2月10日付記事<立体視 (3)>でも言及したことです。

ちょっと数式を書いておきますね。大画面で観たときの、スクリーンから視点までの距離をD、そのときの飛び出したオブジェの飛び出し距離をh、とします。このような立体コンテンツを、α(≦1.0)の割合で縮小されたモニタで観た場合、飛び出し距離をh'とすると、

h' = α2h / {1 - (1 - α)(h / D)} --- (1)

となります。

式(1)をみると、α=1.0のときは、もちろんh'=hとなりますが、αを小さくしていくと、h / D=1.0のときに限って、h'=αh、となります。これは、飛び出し具合がスクリーンの大きさに比例する、ということで、立体感が保存されることを意味します。しかし、h / D≦1.0ですから(視点よりも飛び出すことはない)、一般にはh'≦αh、となります。これは、スクリーンの縮小具合以上に立体感が緩和される、ということ。このことと、冒頭の某氏の主張は相いれないので、あれ?と思ったわけです。これはちゃんと検証したいところ。私の計算はまさに<机上の空論>ですからね。

ひとつ、式(1)の前提があって、スクリーンと視点の距離は、αの割合で減少させる、ということがあります。でもこれは水平視野角を一定とする、ということですから、私には合理的に思えますけれど。
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プロフィール

加納裕(かのうゆたか)

Author:加納裕(かのうゆたか)


[略歴]
1983年3月東京工業大学工学部機械物理工学科卒業
1983年4月(株)図研入社
1987年1月同社退社
1987年2月(株)ソリッドレイ研究所を6名で設立、取締役
1994年3月同社退社
1994年4月(株)スリーディー入社
1996年10月同社取締役
1999年12月上海大学兼務教授
2002年10月同社代表取締役
2009年9月ものつくり大学非常勤講師~現在
2009年10月同社代表退任/退社
2010年1月ソフトキューブ(株)入社~現在(技術顧問)
2017年4月湘南工科大学非常勤講師~現在


[業界団体・学会活動]
電気学会・第三期次世代インタラクティブディスプレイ協同研究委員会(幹事)/最先端表現技術利用推進協会・アカデミック部会(旧:三次元映像のフォーラム)(副部会長)/日本バーチャルリアリティ学会ハプティクス研究委員会(委員)/ACM(Professional Member)/情報処理学会(正会員)/3Dコンソーシアム(賛助会員)/URCF(特別会員)

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前職:立体映像産業推進協議会(幹事)/日本バーチャルリアリティ学会・論文委員会(委員)/3DBiz研究会(個人賛助会員)


[資格]
TOEIC805点
数学検定1級(数理技能)
中型・普自二免許
サッカー4級審判員

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