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立体視 (8)

立体コンテンツにおける大きな問題のひとつに、コンテンツの<ディスプレイサイズ依存性>があります。よく知られているように、小さいモニタで確認して良好な立体が観察できたとしても、より大きなモニタで確認すると、立体感が強調されてしまいます。これが過度になると、いわゆる<危険映像>となり、要注意です。

本BLOGの2010年7月27日付記事<立体視 (6)>で、以下の式を載せました。

h' = α2h / {1 - (1 - α)(h / D)} --- (1)

Dはモニタから視点までの距離、hはそのときの飛び出したオブジェの飛び出し距離、αはモニタの縮小率、h'は縮小されたモニタで見たときの飛び出し距離、です。

このときは、α≦1.0としましたが、式(1)はα>1.0でも成り立ちます。つまり、モニタが拡大されたときの影響がわかります。式(1)をよ~くみると、モニタ拡大率αよりも、飛び出し距離h'が大きくなりますね。つまり、飛び出し距離は、モニタ拡大率以上により強調されることがわかります。

最近、モニタサイズと視差の推奨関係を示すグラフを幾度か見たのですが、これが線形関係となっています。たとえば、モニタサイズが倍になると、視差も倍とすればよろしい、ということ。これはコンテンツを変更しなくともよい、という意味に等しく、コンテンツ制作の観点からすると非常にありがたいのです。なぜって、コンテンツはモニタサイズによらず、ひとつでよいのですからね。

ただ、細かく言うと、この関係は線形ではありません。なぜならば、立体視というものは射影が関係しますが、射影は非線形の演算なのです。更には、ヒトの両眼間隔は、モニタサイズに比例して変わってくれません。このふたつの理由により、両者は線形関係とはならない。

目安としてはいいのかも知れませんが、<三次元形状の再現性>まで考慮に入れると、このような単純な関係では表せないことになります。ちょっと細かいでしょうか(A型なので)。
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プロフィール

加納裕(かのうゆたか)

Author:加納裕(かのうゆたか)


[略歴]
1983年3月東京工業大学工学部機械物理工学科卒業
1983年4月(株)図研入社
1987年1月同社退社
1987年2月(株)ソリッドレイ研究所を6名で設立、取締役
1994年3月同社退社
1994年4月(株)スリーディー入社
1996年10月同社取締役
1999年12月上海大学兼務教授
2002年10月同社代表取締役
2009年9月ものつくり大学非常勤講師~現在
2009年10月同社代表退任/退社
2010年1月ソフトキューブ(株)入社~現在(技術顧問)
2017年4月湘南工科大学非常勤講師~現在


[業界団体・学会活動]
電気学会・第三期次世代インタラクティブディスプレイ協同研究委員会(幹事)/最先端表現技術利用推進協会・アカデミック部会(旧:三次元映像のフォーラム)(副部会長)/日本バーチャルリアリティ学会ハプティクス研究委員会(委員)/ACM(Professional Member)/情報処理学会(正会員)/3Dコンソーシアム(賛助会員)/URCF(特別会員)

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前職:立体映像産業推進協議会(幹事)/日本バーチャルリアリティ学会・論文委員会(委員)/3DBiz研究会(個人賛助会員)


[資格]
TOEIC805点
数学検定1級(数理技能)
中型・普自二免許
サッカー4級審判員

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