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輻輳と調節の不一致問題

(二眼式)立体映像による眼精疲労の原因と言われるのが、いわゆる<輻輳と調節の不一致>ですが、一昨日(2010年8月24日)の立体協主催<第1回立体映像セミナー>における講演で、北里大学・半田知也先生が、この問題について言及されました。先日(2010年3月18日)の立体協ワークショップでも、似たお話をされています。

さて、半田先生によると、<輻輳と調節の不一致>による眼精疲労への影響は、巷で言われるほどではない、とのことです。実のところ、不一致というのはさほどなくて、なぜならば、調節は輻輳に誘発されて、立体映像が知覚されるところ(=モニタ上ではない空間)に調節が合ってしまう、ということ。ですから、ほんとうに<輻輳と調節の不一致>が生じているのであれば、もしかしたら眼精疲労の主たる要因となるかも知れませんが、実際には<輻輳と調節の不一致>は大して起こっていない、ということですね。ちょっと面白くないですか?

でもここで新たな疑問が!調節が実際には機能していないわけなので、知覚された画像はボケて見えているのではないか、ということ。この問題も半田先生は実験されていて、実際にボケていることを実証されたそうです。さらには、瞳孔の大小も重要で、瞳孔が小さくなると、焦点深度が深くなるので、調節が機能しなくても結構見える、とのことです。

この複雑な生体反応を、私のヘタな言葉で整理してみます。すなわち、

「立体映像を見ると、輻輳によって調節が誘発されるので、画像はボケて見えるが、それを補うために瞳孔を小さくして、焦点深度を深くすることにより、ボケをできるだけ防止している。」

ということ?う~ん、面白い!
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立体像のストレスの存在?原因は?、

1:輻輳ー調節連動で動くデータがあります。
 NHKでは +-0.2Diopter位 そして これも焦点深度の範囲という。
 最近 名大宮尾克教授が 60cmから+2~3Diopterは動いていると主張している
2:焦点深度がどのくらいか 実際・あるいは瞳孔径や視力から想定するデータは?

3:で、実際には立体視下での視力(その調節結果)のデータがあるか?
4:では実際の立体像の再生範囲は1のNHKデータで十分か?
輻輳ー調節矛盾が実際にないとすると 立体像固有の疲労があるのか?あるとしてその原因はなにか?
眼科では AC調節ー輻輳はよくデータであるのですが、逆のCAがほとんどない。


小生はストレスの原因を輻輳調節矛盾説に立っていず、し、視差像の融合に、どれだけ負担が生じるか、輻輳を誘発する奥行き視の情報源や 立体・融合能力はどんな性質があるかなどを調べて、融合負荷がストレスを起こす説を提唱きました。
これによると 輻輳ー調節矛盾が大きなストレス原因になならないと言えます。
そして、高精細度(奥行き情報が豊かで強くなる)や広い画角(画枠の視差像負担が少なくなる)で実際に良い方向に行っている。







プロフィール

加納裕(かのうゆたか)

Author:加納裕(かのうゆたか)


[略歴]
1983年3月東京工業大学工学部機械物理工学科卒業
1983年4月(株)図研入社
1987年1月同社退社
1987年2月(株)ソリッドレイ研究所を6名で設立、取締役
1994年3月同社退社
1994年4月(株)スリーディー入社
1996年10月同社取締役
1999年12月上海大学兼務教授
2002年10月同社代表取締役
2009年9月ものつくり大学非常勤講師~現在
2009年10月同社代表退任/退社
2010年1月ソフトキューブ(株)入社~現在(技術顧問)
2017年4月湘南工科大学非常勤講師~現在


[業界団体・学会活動]
電気学会・第三期次世代インタラクティブディスプレイ協同研究委員会(幹事)/最先端表現技術利用推進協会・アカデミック部会(旧:三次元映像のフォーラム)(副部会長)/日本バーチャルリアリティ学会ハプティクス研究委員会(委員)/ACM(Professional Member)/情報処理学会(正会員)/3Dコンソーシアム(賛助会員)/URCF(特別会員)

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前職:立体映像産業推進協議会(幹事)/日本バーチャルリアリティ学会・論文委員会(委員)/3DBiz研究会(個人賛助会員)


[資格]
TOEIC805点
数学検定1級(数理技能)
中型・普自二免許
サッカー4級審判員

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