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立体協3D映像セミナー (5)

先週(2012年5月23日)開催の、「立体協3D映像セミナー」は、関谷隆司さん(立体映像クリエイター)による、ご講演でした。タイトルは、「3D映像制作における、画面サイズと視差設計」。立体映像制作では、世界的に活躍されている方です。

さて、内容ですが、長年の経験に裏打ちされた、説得力抜群のものでした。以下、少しご紹介しましょう。

見やすい立体映像制作には、視差量の設計に十分な注意を払う必要がありますが、関谷さんのツールは、視差量と、最近被写体距離/最遠被写体距離/ステレオベース(基線長)/レンズ焦点距離、との関係式です。これらはひとつの等式で結ばれますから、ある変数を求めたい場合、その他の変数を指定してやれば、求められるのです。この計算を行う、スグレもののiPhoneアプリもご紹介いただきました。

関谷さんの、自然で見やすい立体映像は、このような計算により、裏付けられているわけです。最後に上映された、花火の立体動画は、凄かったですね。あんなにきれいな立体映像はなかなかお目にかかれません。見逃した方、まことに残念!

本講演のテーマである、立体映像に特有の<サイズ過敏性>についても、詳しく説明されました。つまり、制作時に想定したモニタサイズよりも、大きい/小さいサイズのモニタで観察する場合への、注意点や対処方法ですね。

特筆すべきは、説明スライドも立体映像だったこと。これはそう易々とできることではありません。

さて、やはりと言いますか、交差法と平行法の話題も出ました(制作するときの話で、観察するときの話ではない)。これらの方法をひと通り説明されたのち、関谷さんの結論は、「どちらも補正するから同じことです」、ということでした。然るに、私はこの点だけにはこだわりがあって(本BLOGにも繰り返し書いた)、平行法は交差法に、全ての点で勝ると思っています。でも、考えてみるに、これらに対する思い入れというのは、CG出身者か実写出身者かに拠るのでは、と思いました。

私はCG出身で、既に死語となったGWS(Graphics WorkStation)を用いて、リアルタイムでガンガンに立体CGを生成したのが、本分野への関わり始めです。<非対称透視投影>という、平行法+HIT(Horizontal Image Translation)により、立体映像を簡単に生成できる技法が使えたので、議論の余地なく、平行法で決まりだったわけです(交差法を使う理由がないし、当時から交差法はCGでは禁じ手とされた)。然るに、実写の場合、二台のリアルカメラを使う状況においては、必然的に交差法が自然な形だったのでしょう。このような歴史的経緯に基づく、考え方の違いなのだと理解いたしました。
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まとめtyaiました【立体協3D映像セミナー (5)】

先週(2012年5月23日)開催の、「立体協3D映像セミナー」は、関谷隆司さん(立体映像クリエイター)による、ご講演でした。タイトルは、「3D映像制作における、画面サイズと視差設計」。立体映像制作では、世界的に活躍されている方です。さて、内容ですが、長年の経験に?...

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プロフィール

加納裕(かのうゆたか)

Author:加納裕(かのうゆたか)


[略歴]
1983年3月東京工業大学工学部機械物理工学科卒業
1983年4月(株)図研入社
1987年1月同社退社
1987年2月(株)ソリッドレイ研究所を6名で設立、取締役
1994年3月同社退社
1994年4月(株)スリーディー入社
1996年10月同社取締役
1999年12月上海大学兼務教授
2002年10月同社代表取締役
2009年9月ものつくり大学非常勤講師~現在
2009年10月同社代表退任/退社
2010年1月ソフトキューブ(株)入社~現在(技術顧問)
2017年4月湘南工科大学非常勤講師~現在


[業界団体・学会活動]
電気学会・第四期次世代インタラクティブディスプレイ協同研究委員会(委員)/最先端表現技術利用推進協会・アカデミック部会(旧:三次元映像のフォーラム)(副部会長)/日本バーチャルリアリティ学会ハプティクス研究委員会(委員)/ACM(Professional Member)/情報処理学会(正会員)/3Dコンソーシアム(賛助会員)/URCF(特別会員)

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前職:立体映像産業推進協議会(幹事)/日本バーチャルリアリティ学会・論文委員会(委員)/3DBiz研究会(個人賛助会員)


[資格]
TOEIC805点
数学検定1級(数理技能)
中型・普自二免許
サッカー4級審判員

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