FC2ブログ

アムダールの法則

先日大阪本社で、Hさんが書いた某提案書を一緒に吟味していました。既存の成果を、さまざまな高速化手法を用いて実行速度を向上させる、という(よくある)内容です。

この中で、マシンを複数繋いで高速化する、という個所があります。記述をみると、「マシン5台で5倍の性能」とあります。こう書きたいところですが、実は、完全並列化(=並列化率100%)でない限り、こうはならない。

これに関連する有名な法則に、<アムダールの法則>というのがあります。英語では、Amdahl's law、です。ちなみに、アムダールというのは、アメリカのコンピュータ技術者です。

アムダールの法則は、以下の式で表わされます。

S = 1 / ((1 - p) + (p / n)) --- (1)

ここでSは高速化率、pは並列化できた割合、nは並列化数、です。式(1)は、ちょっと考えれば自前で簡単に導出できますね。

具体例としては、並列化率80%、CPU数5、とすると、

S = 1 / 0.36 = 2.78 --- (2)

となります。ですから、上記の提案書の例だと、3倍程度が妥当でしょうか。というわけで、3倍と書き変えました。

アムダールの法則は、単純な仮定に基づいたものですが、私の経験でもかなり正しいと思います。並列化を検討している人には、必須の基本知識ですね。

以前、国のプロジェクトで、8CPUで性能6倍、というのをやりました。何とか達成できたのですが、いま考えてみると、式(1)に当てはめると、

p = 20 / 21 = 95% --- (3)

となります。かなりの並列化率じゃないですか!仕様を決めた人は、<アムダールの法則>がわかっていたのかな?
スポンサーサイト

トラックバック


この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

まとめtyaiました【アムダールの法則】

先日大阪本社で、Hさんが書いた某提案書を一緒に吟味していました。既存の成果を、さまざまな高速化手法を用いて実行速度を向上させる、という(よくある)内容です。この中で、マシンを複数繋いで高速化する、という個所があります。記述をみると、「マシン5台で5倍の性?...

コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

加納裕(かのうゆたか)

Author:加納裕(かのうゆたか)


[略歴]
1983年3月東京工業大学工学部機械物理工学科卒業
1983年4月(株)図研入社
1987年1月同社退社
1987年2月(株)ソリッドレイ研究所を6名で設立、取締役
1994年3月同社退社
1994年4月(株)スリーディー入社
1996年10月同社取締役
1999年12月上海大学兼務教授
2002年10月同社代表取締役
2009年9月ものつくり大学非常勤講師~現在
2009年10月同社代表退任/退社
2010年1月ソフトキューブ(株)入社~現在(技術顧問)
2017年4月湘南工科大学非常勤講師~現在


[業界団体・学会活動]
電気学会・第三期次世代インタラクティブディスプレイ協同研究委員会(幹事)/最先端表現技術利用推進協会・アカデミック部会(旧:三次元映像のフォーラム)(副部会長)/日本バーチャルリアリティ学会ハプティクス研究委員会(委員)/ACM・SIGGRAPH(Professional Member)/情報処理学会(正会員、CVIM会員)/3Dコンソーシアム(賛助会員)/3DBiz研究会(個人賛助会員)/URCF(特別会員)

----------------

前職:立体映像産業推進協議会(幹事)/日本バーチャルリアリティ学会・論文委員会(委員)


[資格]
TOEIC805点
数学検定1級(数理技能)
中型・普自二免許
サッカー4級審判員

最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QRコード