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ソフトウェア開発は未成熟

大型ソフトウェア開発プロジェクトの失敗(途中での挫折)が、たまに報道されていますが、実態はもっと多くのものが失敗していると言われます。私もそう思います。

ここで私がいつも考えるのが、建築との比較。例えば、東京スカイツリーは、非常に難度の高い建造物だと、シロウトでもわかります。然るに、関係者の多大な苦労があったとは言え、ちゃんと完成したのです。とは言え、例えば、300メートルくらい建てた後で、「設計に失敗したので、全部壊してから建てなおします」なんてことがあってもおかしくありませんか?でも、実際にはそのようなことは(たぶん)ない。しかし、なぜ?

建築とソフトウェア開発の違いとして、私が考えられるのは、以下の通りです。

1)建築は常に可視化されている。対して、ソフトウェアは構造が可視化できない。

これは以前からよく言われることです。実際、ソフトウェア開発の進歩というのは、(あるとすれば)如何に状況を可視化するかでしょうね。でも、いまでもさまざまな可視化手法があるものの、建築と比べると、足元にも及ばない。

2)建築は物理法則に基づいている。対して、ソフトウェア開発は、完全に人工物がベースである。

自然法則というのは、どんな場合でもウソをつかないので(重力がいきなり上方向に作用することはない)、その意味での信頼・推測ができるわけです。対して、ソフトウェアというのは人工のものなので、どのような振る舞いを起こすか不明です。その昔、アナログコンピュータなんてのがありましたが、これは自然法則(電気回路理論)に基づいているので、精度は出ないものの、この意味では安心だったカモ。

3)そもそも両者では、年期がまるで違う。

何千年も前に、ピラミッドなどというとんでもないものが建てられたのに対して、ソフトウェアは高々戦後の半世紀程度です。これらを比べようとする方が間違いなのかも知れません。これから、ソフトウェア開発進歩の長い歴史が始まるのだと思います。さて、直近ですが、10年程度のスパンでは、開発手法はそれほど変わらないのかも知れません。でも、半世紀後となると、いまとは相当違った手法が取られているような気もします。C言語(およびその派生)は美しく、これはひとつの勝利だと思っていますが、これは半世紀後も残っているのでしょうか?
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プロフィール

加納裕(かのうゆたか)

Author:加納裕(かのうゆたか)


[略歴]
1983年3月東京工業大学工学部機械物理工学科卒業
1983年4月(株)図研入社
1987年1月同社退社
1987年2月(株)ソリッドレイ研究所を6名で設立、取締役
1994年3月同社退社
1994年4月(株)スリーディー入社
1996年10月同社取締役
1999年12月上海大学兼務教授
2002年10月同社代表取締役
2009年9月ものつくり大学非常勤講師~現在
2009年10月同社代表退任/退社
2010年1月ソフトキューブ(株)入社~現在(技術顧問)
2017年4月湘南工科大学非常勤講師~現在


[業界団体・学会活動]
電気学会・第三期次世代インタラクティブディスプレイ協同研究委員会(幹事)/最先端表現技術利用推進協会・アカデミック部会(旧:三次元映像のフォーラム)(副部会長)/日本バーチャルリアリティ学会ハプティクス研究委員会(委員)/ACM(Professional Member)/情報処理学会(正会員)/3Dコンソーシアム(賛助会員)/URCF(特別会員)

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前職:立体映像産業推進協議会(幹事)/日本バーチャルリアリティ学会・論文委員会(委員)/3DBiz研究会(個人賛助会員)


[資格]
TOEIC805点
数学検定1級(数理技能)
中型・普自二免許
サッカー4級審判員

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