FC2ブログ

ベイズの定理 (4)

アマゾンからのrecommendation、なんと「異端の統計学ベイズ(2013)」。いまベイズに入れ込んでいる私としては、これは買いでしょう。しかし、なぜこのようなど真ん中ストライクの本が勧められるのか?アマゾン、恐ろしい!悔しいので、本屋さんで買いました。

本書のレビューは後日することにして、訳者あとがきに書かれた、ベイズの定理における事前確率の問題点を指摘した箇所について言及いたします。

10万人都市で、X氏が殺人容疑で逮捕されました。理由としては、100人にひとりという珍しい血液型が犯人と一致したから、とのことですが、この状況で、X氏が犯人である確率を求めよ、という問題です。以下、本書のノーテーションによると、

C1:X氏が犯人
C2:X氏は犯人ではない
A:X氏の血液型が犯人と一致

設問文から、

P(A|C1) = 1 --- (1)
P(A|C2) = 0.01 --- (2)

です。求めたいのは、P(C1|A)ですから、ベイズの定理を適用すると、

P(C1|A) = P(A|C1)P(C1) / (P(A|C1)P(C1) + P(A|C2)P(C2)) --- (3)

式(1)(2)を用いて、式(3)を整理すると、

P(C1|A) = 1 x P(C1) / (1 x P(C1) + 0.01 x P(C2)) = 100P(C1) / (100P(C1) + P(C2)) --- (4)

本文では記述がないですが、当然、

P(C2) = 1 - P(C1) --- (5)

ですから、式(5)を式(4)に代入してやると、

P(C1|A) = 100P(C1) / (99P(C1) + 1) --- (6)

さて、訳者あとがきでの指摘というのは、P(C1)の設定次第で、P(C1|A)の確率はいかようにも計算できる、ということです。これがベイズの定理の(事前確率の)危うさというわけです。だから、乱用するとトンデモない結論となってしまう。

確かにそのとおりです。しかし、上記の例でいけば、それ以前の捜査により、ある程度のP(C1)は計算できているべきです(たとえば、容疑者は100人に絞られた、など)。これがそれまでの知識に基づく事前確率、ということです。それに対し、血液型鑑定という新たなデータが登場したとき、ベイズ更新により、事後確率が計算できる、ということで、私としては特に危うさは感じません。非常に便利なツールであります。
スポンサーサイト



コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

加納裕(かのうゆたか)

Author:加納裕(かのうゆたか)


[略歴]
1983年3月東京工業大学工学部機械物理工学科卒業
1983年4月(株)図研入社
1987年1月同社退社
1987年2月(株)ソリッドレイ研究所を6名で設立、取締役
1994年3月同社退社
1994年4月(株)スリーディー入社
1996年10月同社取締役
1999年12月上海大学兼務教授
2002年10月同社代表取締役
2009年9月ものつくり大学非常勤講師~現在
2009年10月同社代表退任/退社
2010年1月ソフトキューブ(株)入社~現在(技術顧問)
2017年4月湘南工科大学非常勤講師~現在


[業界団体・学会活動]
電気学会・第三期次世代インタラクティブディスプレイ協同研究委員会(幹事)/最先端表現技術利用推進協会・アカデミック部会(旧:三次元映像のフォーラム)(副部会長)/日本バーチャルリアリティ学会ハプティクス研究委員会(委員)/ACM(Professional Member)/情報処理学会(正会員)/3Dコンソーシアム(賛助会員)/URCF(特別会員)

---------------------

前職:立体映像産業推進協議会(幹事)/日本バーチャルリアリティ学会・論文委員会(委員)/3DBiz研究会(個人賛助会員)


[資格]
TOEIC805点
数学検定1級(数理技能)
中型・普自二免許
サッカー4級審判員

最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QRコード